ざっくり言うと
- ホールド率とは、カジノがどのぐらい勝っているのかを示す指標
- ネバダ州ゲーミングコントロールボードが公表している過去16年分のホールド率の推移
- もっともホールド率が高いのはルーレット、続いてクラップス、バカラ、ブラックジャック
カジノは、各施設、各種ゲーム、また各テーブルがどのぐらい勝っているのかを測定する指標としてホールド率(HOLD PERCENTAGE)を使用しています。
ホールド率とは、ざっくりいうとお客さんが購入したチップをカジノが取り戻した比率のことで、下記の数式であらわされます。
ホールド率=(収益)/(ドロップ)=(ゲームでのカジノ側の儲けの総額)/(Buy-In:お客さんが持ち出したお金の総額)
これだけではよくわからないので補足します。
①あるお客さんがブラックジャックのテーブルにきて、まず100万円分のチップを購入しました。
②最初に買った100万円のチップで4時間プレイしました。一時は120万円まで増えたり、50万円まで減ったりしましたが、プレイ中にチップの追加購入や換金はありませんでした。
③4時間プレイした結果、お客さんは20万円負けて、残りの80万円を持ってテーブルを離れました。
④上記をカジノ側から見れば、カジノ側の儲けは20万円です。
この場合のホールド率は、
20万円/100万円=20% ということになります。
ありえない話ですが、仮に上記のお客さんが1,000人いたとしたら2億円/10億円で、ホールド率は同じく20%となります。
実際には、大きく賭ける人、少ししか賭けない人、大きく勝つ人、大きく負ける人など様々ですが、それらをすべて足し合わせて、分子の収益と分母のドロップを算出します。
ホールド率は、詳細まで理解しようとすればかなり複雑なのですが、下記のグラフを理解するだけなら、ここまでの知識で十分です。
さて、こちら、ネバダ州ゲーミングコントロールボードが公表しているデータをもとに作成した、ネバダ州全体のゲームごとのホールド率の推移です。言わずもがなですが、ネバダ州といえばラスベガスがある州です。
<ネバダ州におけるテーブルゲームのホールド率推移>
<データ出典>
Nevada Gaming Control Board
University of Nevada, Las Vegas:
NEVADA TABLE GAMES:HISTORICAL HOLD PERCENTAGE VARIATIONS
このグラフを見ると、ホールド率はゲームの種類によって大きく異なり、また、年々ホールド率(カジノ側の儲けの割合)が高くなっていることがわかります。ホールド率を上昇させる方法はいくつかあるのですが、例えば、ゲームのルールを変えてハウスエッジ(胴元の取り分)を増やす、最低掛け金を上げてゲームのレートを高くする、ディーリングを機械化して時間当たりのゲーム数を増やすなどです。
16年間の平均値で、もっともホールド率が高いのはルーレット(18.92%)、続いてクラップス(13.70%)、バカラ(12.35%)、ブラックジャック(12.29%)となっています。
誤解のないよう補足しますが、必ずしも、ホールド率が高いからといって勝ちにくい、またホールド率が低いからといって勝ちやすいゲームということではありません。ゲームの勝ちやすさ負けやすさを示す値はハウスエッジ(控除率)です。ホールド率が示すのは、結果として、カジノがどれぐらいの割合で勝っているかです。
つまり、こちらのグラフは、テーブルゲーム4種類のホールド率の平均が14.31%で、仮に100万円分のチップを買ってゲームをしたら、14万3,100円分をカジノが勝っていることを表しています。