ざっくり言うと
- シンガポールは、友人や家族間でのオフラインのギャンブルを合法化へ
- 友人や家族間であってもオンラインでのギャンブルは禁止
- 一方で、ガチャやクレーンゲームは規制強化へ
<8月1日追記>
2022年8月1日、シンガポールでは、ソーシャル・ギャンブル新法が施行され、本日から友人を自宅に招いてギャンブルすることが合法となりました。
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日本では仲間内でのポーカーギャンブルが大きな騒動となっていますが、ギャンブル先進国のシンガポールでは、まったく逆の動きが進んでいます。
2021年7月12日、シンガポール内務省は、友人や家族間でのオフラインのギャンブルを可能にするためのギャンブル法改正の公開協議を開始し、2022年2月14日、友人や家族間でのギャンブルを許可する法案が提出されました。
Singapore to allow family social gambling, not online social
(シンガポール、オンライン・ソーシャル以外のファミリー・ソーシャル・ギャンブルを許可へ)
内務省は、友人や家族間でのギャンブルは、シンガポールでは社会的に容認された娯楽であり、違法なギャンブルからの搾取を防ぐためにも、条件付きで認める方向で調整しています。
友人や家族間の基準は、「参加者の間に実際の関係があること」、「ギャンブルがビジネスの目的で宣伝または実施されていないこと」、「ゲームの賞金の範囲を超えて、誰かの私的な利益のために行われていないこと」、「個人住宅の閉鎖された場所で行われており、参加者は招待客であること」となっています。
一方で、オンラインでの友人や家族間でのギャンブルは、本当に家族や友達なのかを立証することが困難なため認めないとしています。
◆ガチャやクレーンゲームは規制強化へ
内務省は、賞金を提供するオンラインゲームとオンラインカジノとの境界線がますます曖昧になっていることを問題視しており、これらが賭博行為を誘発したり、社会問題を引き起こさないための保護措置が必要だと訴えています。
具体的には、友人や家族間でのギャンブルを認める一方で、ゲームセンターやオンライン上のガチャやクレーンゲームの賞品は、100シンガポールドル(約8,600円)の上限が設けられます。
◆さいごに
「ギャンブル法は、法と秩序を維持し、問題のあるギャンブルによる社会的被害を最小限に抑えることを目的としています。すべてのギャンブルを禁止することは現実的ではなく、望ましいことでもありません。代わりに、厳格な保護措置を講じた上で、一部のギャンブル活動を許可するためのものです。」(シンガポール内務省)
世界を見渡してみれば、ことギャンブルに関しては、日本は1周ならず2~3周遅れています。
すべてを禁止するのではなく、日本もシンガポール同様の検討を進めてみては。