売上9億円の賭け麻雀店摘発、経営者ら7人を書類送検（歌舞伎町）

2024年2月5日、警視庁保安課は、客に麻雀賭博をさせ場所代を徴収した賭博開帳図利の疑いで運営会社代表取締役の男性を、同ほう助の疑いで従業員の男女4人を、また、男性客2人を賭博の疑いで書類送検しました。

摘発された店は、今月2日に廃業した新宿歌舞伎町の麻雀ブル。

警視庁によると、店は「女流プロ来店」などとうたって集客し、2012年から11年間で9億円を売り上げていたとみられています。この店は、個人で訪れるいわゆる「フリー」の客どうしで千点を100円に換算する「点ピン」で賭博をさせ、客に交ざって麻雀を打つ「打ち子」専門の従業員も置いていたとのことです。

取り調べに対して、男性経営者は、「現金を賭けた麻雀でないと集客につながらないと考えていた」「客にポーチを渡し、カネが見えないようにしていた」などと話し、容疑を認めています。

◆黒川元検事長の事件に見る、点ピンの賭け麻雀は違法なのか？

黒川元検事長は、2020年の緊急事態宣言中に新聞記者ら3人と賭け麻雀をしていたとして賭博容疑などで刑事告発されました。法務省の刑事局長は月1回程度の頻度で点ピンのレートは、社会通念上、訓告が相当との判断を示し、東京地検特捜部は7月に起訴猶予での不起訴処分としました。

しかし、その後、検察審査会は「検事長という重責にありながら漫然と賭け麻雀をし、社会の信頼を裏切った」などとして「起訴すべき」と議決し、これを受けて東京地検は再捜査の結果、2021年3月18日に黒川元検事長を賭博罪で略式起訴しました。そして、3月25日、東京簡易裁判所は黒川元検事長に罰金20万円の略式命令を下しました。

略式起訴では、正式な刑事裁判は開かれず、書面上の審理のみで刑事罰が下されます。公の場での被疑者や証人への尋問は一切行われないため、すべての真相は闇の中となりましたが、点ピンの賭け麻雀で20万円の罰金刑という事実だけが残されました。

◆さいごに

黒川事件で点ピンの賭け麻雀が違法で有罪という指針が示され、警視庁保安課は、2021年以降、賭博開帳図利などの容疑で都内の麻雀店6店を摘発しています。社交の範囲での安価な賭け麻雀は大丈夫だと思われがちですが、今後、一層の厳しい取り締まりが予想されます。