ざっくり言うと
- リゾート・ワールド・セントーサのディーラー、約620万円分のカジノチップを盗む
- チェックラックから高額チップを抜き取る手口
- 検察からの3つの有罪答弁に同意したことで、禁固1年3週間の軽い量刑に
2024年10月3日、シンガポールのリゾート・ワールド・セントーサのディーラーが少なくとも55,000シンガポールドル(約620万円)を盗んだ罪を認め、禁固1年3週間の実刑判決を受けました。刑務所送りになったのは、2022年12月からリゾート・ワールド・セントーサでバカラ、ブラックジャック、ルーレットを担当していたタイ人のオームナキル・タナコーン容疑者。、
シンガポール検察当局によると、ディーラーのタナコーンは、2024年4月から、ゲームテーブルのチェックラック(ディーラーの手元にあるチップ置き場)からカジノチップを抜き取り始めました。タナコーンは、犯行を隠すために手を紙片で覆いながら、チェックラックから1,000シンガポールドルチップ(約11万円)や5,000シンガポールドルチップ(約56万円)を抜き取り、ベルトの隙間やズボンのファスナーの中に隠して持ち出していました。タナコーンの犯行は、セキュリティ監視にばれることはありませんでしたが、後の調査で2024年4月から7月にかけて、少なくとも29回行われていたことが判明しています。また、警察が彼の自宅、ロッカー、所持品を捜索したところ、10,000シンガポールドル相当のカジノチップが押収されています。
タナコーンは、2人の女性ギャンブラーに、手数料を支払うことで盗み取ったチップを現金化するよう依頼します。この依頼を受けた女性たちは、それぞれ32,500シンガポールドル、4,500シンガポールドルのチップを交換する姿がカメラに収められており、女性たちもマネーロンダリングの罪で起訴されています。
タナコーンには、懲役25年と最高50万シンガポールドルの罰金となる可能性もありましたが、彼が不正流用による背任罪、犯罪収益の換金に協力するよう他人を扇動した罪など3つの有罪答弁に同意したことで、禁固1年3週間と軽い量刑となっています。
また、刑期終了後、タナコーンはタイに強制送還される見込みです。
<10月8日追記>
こちらはマカオで起こった同様の事件。
マカオ司法警察局は、少なくとも60万香港ドル(約1,143万円)のカジノチップを着服したマカオ人の女性ディーラーを加重窃盗罪で逮捕、検察院送致したと発表しました。
4日未明、女性ディーラーがゲームテーブルのチェックラックから1万香港ドルチップ(約19万円)を1枚抜き取り、太ももの間に挟んだのをピットボスが発見し通報。警察官がディーラーの所持品検査を実施したところ、腰の部分から1万香港ドルチップがもう1枚発見され、女性ディーラーが別のテーブルから抜き取ったことを認めたとのこと。その後の捜査で、女性ディーラーは2024年2月から勤務中に1万香港ドルチップを1~2枚ずつ着服する行為を繰り返しており、カジノの被害額は少なくとも60万香港ドルに上ることが判明しています。