ざっくり言うと
- 警視庁などは、オンラインカジノの利用客57人を単純賭博容疑で書類送検
- 賭博をした約130人を既に特定しており、今後、利用客を立件する見通し
- 摘発対象は「ビットカジノ」「スポーツベットアイオー」「ベラジョンカジノ」
2024年11月26日、警視庁など24の都府県の警察は、海外のオンラインカジノで暗号資産(仮想通貨)を使い賭博をしたとして、利用客57人を単純賭博容疑で書類送検しました。また、書類送検時、起訴を強く求める「厳重処分」の意見が付されています。
加えて、賭博をした全国の約130人を既に特定しており、今後、利用客を立件する見通し。
2023年9月、警視庁は、入出金システム「スモウペイ」の運営者を常習賭博ほう助容疑で摘発し、その後、サイトの利用客についても特定を進めていました。警視庁保安課によると、警視庁が導入した仮想通貨の追跡ツールで客の関与を突き止めたとのことで、「スモウペイ」の会社が管理していた暗号資産の口座を独自のツールで解析したところ、10人が200万円~1億4,000万円相当の暗号資産を送り、サイト内で賭け金として使うポイントに交換していたことを確認。追跡ツールを用いた客の特定は全国初。
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警視庁が逮捕したのは、東京消防庁の職員、公認会計士、会社役員、主婦など20代から60代の10人。警視庁保安課によると、10人の書類送検容疑は、昨年4月29日~今年9月19日ごろまでの間、パソコンやスマホから「ビットカジノ」「スポーツベットアイオー」「ベラジョンカジノ」の3サイトに接続し、スロットやルーレットなどの賭博をした疑い。
10人全員が大きく「負け」ていたとのことで、とくに、東京消防庁の男性職員は、1億4,000万円入金し約3,000万円の損失を出しており、「やめたくても借金がかさみ続けていて、やめられなかった」と供述しているとのことです。
山形県警が逮捕したのは、米沢市に住む会社員の46歳の男性。オンラインカジノでの検挙は山形県で初。男性は容疑を認め、「海外のカジノサイトだから少しやってもバレないだろうと思った」などと話し、バカラに1日で1,000万円相当を賭けていたこともあり、総額で2,000万円を賭け、すべて失ってやめたとのことです。
福井県警が逮捕したのは、坂井市に住む28歳の男性。オンラインカジノでの検挙は福井県で初。書類送検容疑は、2023年8月初旬ごろから同年10月下旬ごろまでの間、「スポーツベットアイオー」で暗号資産(仮想通貨)を賭けた疑い。男性は容疑を認め、「スポーツベットアイオーで1年半で100万円くらい負け、別のサイトでも300万円くらい負けた」、「トータルで400万円負けた」と話しているとのこと。
警察庁や警視庁は、「オンラインカジノが海外で合法的に運営されていても、国内で賭ける行為は犯罪なので、絶対にやめてほしい」と呼びかけています。
ポスターでは、「日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です!」と明言し、「知らなかったでは済まされません!」と警告しています。
そして、日本の法律では、賭博罪は50万円以下の罰金または科料、常習賭博罪は3年以下の懲役と定められています。