2022年10月22日

正しいギャンブルのやめ時とは?(ギャンブラーの過信)

正しいギャンブルのやめ時とは?(ギャンブラーの過信)

ざっくり言うと

  • ギャンブラーがやめ時を逸する最大の原因は、自身への過信
  • 過信の原因は、レイク・ウォビゴン効果やホットハンドの誤謬などの認知バイアス
  • ギャンブルに勝つ秘訣は「感情より勘定」(by 福本伸行)

「あそこでやめていたら10万円勝っていたのに、深追いして負けてしまった」
ギャンブラーなら、少なからずそんな経験があるのでは?
今回は、ギャンブルの中で最も難しいとされるやめ時の話です。

 

◆やめ時を逸するメカニズム

ギャンブラーがやめ時を逸する最大の原因は、過信に他なりません。
ギャンブラーの過信
とは、勝っている時に絶妙なタイミングでピタッとやめられる、もしくは、負けていても勝ちになった時点でやめればいいと考えてしまうギャンブラーの思い込み(希望的観測)のことです。

ギャンブラーの過信の裏には、レイク・ウォビゴン効果(The Lake Wobegon effect)やホットハンドの誤謬(hot hand fallacy)などの認知バイアスが働いています。

レイク・ウォビゴン効果は、「自分は他の人と比べると、平均以上である」「自分は他の人よりツイている」と自己評価を過大に捉えてしまう勘違いのことです。

ホットハンドの誤謬は、勝ちが連続した際、ツキがある(hot hand)と錯覚し、その後も勝つ可能性が高いと捉えてしまう勘違いのことで、ギャンブラーの誤謬(gambler’s fallacy:コイントスで10回続けて表が出た時、次はそろそろ裏が出るような気がするといった勘違い)とは逆方向の認知バイアスです。

関連記事:打つ?1500ゲームはまったジャグラー(ギャンブラーの誤謬)

ギャンブラーは、自身の力やその時のツキを過信して、正しいやめ時を逸してしまうケースがほとんどです。

 

◆正しいギャンブルのやめ時とは?

正しいやめ時を示す100点満点の回答はありませんが、比較的に正しいと考えられているやめ時は存在します。どれも大勝には程遠いつまらない遊び方ですが、負けるリスクを減らすにはこれがベストな方法となります。(最も負けない方法は、やらないことですが)

<パチンコ・パチスロ>

日本のパチスロとパチンコは、期待値がプラス(ハウスエッジがマイナス)の台が存在する他に類を見ないギャンブルです。(パチンコの釘曲げは違法のはずですが)

運よく高設定のパチスロ台、甘釘のパチンコ台をつかめたら、基本的に期待値がプラスの状態なので、閉店時間を見ながら、時間の許す限り打ち続けるのが正解です。また、打っているうちに良台ではないと判断した場合は、できるかぎり早くやめることです。

そもそも論として、良台をつかめなかったらその日は早々に退散するか、良台が空くのを待つしかありません。

加えて、パチンコの遊タイムやパチスロの天井などを狙う場合、当たりに到達し期待値がプラスの状態が終わったら、できるかぎり早くやめることです。

 

<カジノゲーム>

ハウスエッジ(胴元の取り分)が存在するカジノゲームは、長くやればやるほど負ける確率は高くなります。そんな圧倒的に不利な状況でプレイヤーが勝利を収めるには、短時間で勝負し、プラスになったら勝ち逃げするしかありません。

また、確率的に負けて当たり前のカジノゲームでも、ちょっとした幸運で1万円が2万円に、10万円が20万円にと、軍資金が倍程度に増えることは多々あります。一方で、1万円が20万円に、10万円が500万円になることは、よっぽどの幸運にでも恵まれない限り起こりません。

そう考えると、5万円勝とうと思うなら5万円の軍資金が、100万円勝とうと思うなら100万円の軍資金が必要となり、それが2~3倍に増えたら即退散するが正解となります。

ただし、ジャックポットが1億円のようなスロットマシンは、人生を変えるような一攫千金のチャンスがある一方で、結果の中央値も最頻値も限りなく0に近いゲームです。夢を見ると割り切って、軍資金を失う覚悟で勝負するしかありません。


関連記事:「逆72の法則」軍資金が半分になるのは何回目か?

 

<競馬・ボートレース・競輪・オートレース>

まず、大前提として、公営ギャンブルの配当は、すべてパリミュチュエル方式で計算されます。パリミュチュエル方式では、売上から胴元が一定割合(約25%)を差し引いて、残りの金額(約75%)を的中者で分け合うことになります。

意外かもしれませんが、公営ギャンブルの投票券の期待値(=得られる可能性のある金額×その確率)は、本命であれ大穴であれどの投票券を買っても同じです。本命は当たりやすいが配当は低く、大穴は当たりにくいが配当は高いというだけの話です。

そして、公営ギャンブルには約25%の高いハウスエッジ(胴元の取り分)が設定されており、やればやるほど負けるリスクが高くなっていきます。

公営ギャンブルの期待値は約75%しかなく、本命重視で参加レース数や買い目数が多くなれば、トリガミ(購入した投票券が的中しても、トータルではマイナス)になることが容易に想像できます。

となると、しっかり勉強して的中率を高める以外には、参加レース数や買い目数を絞って、的中したらそこでやめる以外に勝ち逃げする方法はありません。

勝ちやすい(=負けにくい)投票券の買い方については、下記で詳しく説明しています。

関連記事:ギャンブルに必勝法なし、ただし必敗法はあり

 


◆さいごに

ある調査でポーカープレイヤーの勝負の仕方を分析したところ、初心者は大きく勝ったり負けた後は賭け金や勝負スタンスに大きな変化がみられ、プロのプレイヤーはほとんど変化せず、各回のゲーム結果に一喜一憂することなく、常に冷静沈着にゲームを進めていたそうです。
※トーナメントではなくキャッシュゲームに限定した話です。

熱くならず、また、自身の力を過信することなく、常に正しいやめ時を見極める。
これがギャンブルに勝つ秘訣です。

カイジの福本先生の言葉を借りれば、「感情より勘定」ということでしょうか。