2022年02月18日

カジノは遊ぶ場所であって、稼ぐ場所にあらず

カジノは遊ぶ場所であって、稼ぐ場所にあらず

ざっくり言うと

  • 基本的に期待値が100%を超えるギャンブルは存在しない
  • カジノのスロットマシンとパチスロはまったく別のギャンブル
  • カジノのスロットマシンは一部を除いて純粋な運任せのゲーム
  • パチスロは高設定の台を探し当てるゲーム

ギャンブルファンの中には、「自分はギャンブルが強い」、「勝ち方を知っている」、「ギャンブルの女神がついている」、「ツキのながれが見える」などと豪語する輩が少なからず存在します。先人は「類は類を呼ぶ」とうまいことを言ったもので、恥ずかしながらGamble GOの周りには、異常なほどたくさんの輩がいます。

ギャンブルでの勝ちを意味するこれらの言葉は、一見似てはいても、まったく次元の異なる概念です。前者の「自分はギャンブルが強い」、「勝ち方を知っている」は、知識や技術をバックボーンとしており、ハウスエッジ(胴元の取り分)が大きいゲームには近寄らない、数学的に不利な賭け方をしない、数学的に有利な時に大きく賭けるなど、ギャンブラーの努力によって向上できるものです。

一方で、後者の「ギャンブルの女神がついている」、「ツキのながれが見える」は、何ら科学的根拠を持たず、言葉を選ばずにいえばオカルトの一種と考えて差支えないと思っています。

Gamble GOがもっとも尊敬する理論派ギャンブラー、正確にはギャンブルを研究する学者の谷岡一郎氏は、あらゆるギャンブルを確立・統計論でぶった切り、ギャンブルにおけるツキまでも数学によって明らかにします。

 

◆ツキなどというものは存在しない

『客観的(科学的) にひとことで表現するならば「ツキとは統計上のゆらぎ(長い時間プレイすれば必ず起こる連続した勝ち負けの大波)」であると言える。つまり、連勝・連敗は、統計上必然的に起こる事象である。そして、連勝・連敗それぞれの渦中にいる人がそれを、「ツキがある」とか「ない」とか考えるだけのことである。誤解を恐れず、別の言葉で表現するならば、「ツキなどというものは存在しない。存在するのは統計上の必然にすぎない」とも言える。』(『ツキの法則 「賭け方」と「勝敗」の科学 』より)

ギャンブルに関する本の中でGamble GOが数冊だけを選ぶとしたら、間違いなく20年以上前に書かれた谷岡先生の『ツキの法則 「賭け方」と「勝敗」の科学 』(PHP新書)を挙げます。既に本書を読んでいるギャンブラーは少なくないと思いますが、Amazonでは中古本なら1円、Amazonプライムでは無料で公開されているので、未読のギャンブラーは絶対に読むべき1冊だと思います。誤解のないよう付け加えますが、決して確率論だけに従ってギャンブルをしろということではなく、自身のおかれている状況を正しく理解できていることが何よりも重要だからです。

 

◆確実に勝てるギャンブルなど存在しない

基本的に期待値(賭け金を取り戻す割合)が100%を超えるギャンブルは存在しません。例外中の例外として、クラップスで一定の条件でのみ賭けることができるオッズベッド(期待値は100%)、ビデオポーカーの一部の機種(Deuces Wildを最適戦略に従ってMAXベットでプレイした場合の期待値は約101%)はありますが、それ以外に期待値が100%を超えるギャンブルを聞いたことがありません。

ただし、ポーカーや麻雀などプレイヤー同士がスキルによって競い合うゲーム、パチンコやパチスロのような台に優劣のあるゲーム、ブラックジャックのカードカウンティングのようなルール上グレーとされるものは除きます。

ギャンブルにおいては、短期的なプレイヤーの一喜一憂はあっても、長期的には胴元の勝ちが数学的に裏付けられており、結果、カジノ事業者が株式市場に上場でき、投資の対象になり得るのです。つまり、ギャンブルにおける唯一の必勝法は胴元になることしかありません。