ざっくり言うと
- 戦略①:初手はパー
- 戦略②:あいこの場合は、初手に負ける手
- 更に技術を深めた攻略法として、世界じゃんけん協会のじゃんけんに勝つための7か条
桜美林大学の芳沢光雄教授が学生725人を集めて行った11,567回の実証実験によると、最も多かったのはグーで4,054回(35.0%)、次はパーで3,849回(33.3%)、最も少なかったのはチョキで3,664回(31.7%)だったそうです。
この傾向は芳沢教授の考察によると、心理学的に知らない人に対しては拳をつくる傾向がある、チョキはじゃんけんのうちで一番つくりにくい手などが理由とのことです。
(出典:よしざわ先生の「なぜ?」に答える数の本(2) じゃんけんの算数)
◆戦略①:初手はパー
統計的にはグーが出やすく、チョキが出にくい。つまり、パーを出せば勝ちやすいということがわかります。
◆戦略②:あいこの場合は、初手に負ける手
芳沢教授によれば、2回続けてじゃんけんをすると同じ手が続くのはわずか22.8%で、33.3%を大きく下回っています。
例えばパーであいこの場合、次に相手が再度パーを出す確率は低く、次に相手が出すのはグーかチョキだと考えると、自分はグーを出すべきということになります。
◆じゃんけんに勝つための7か条
芳沢教授の「初手はパー」、「あいこの場合は、初手に負ける手」は有名な話で、知識を持った相手には裏をかかれる可能性があります。そこで、更に技術を深めた戦略として、世界じゃんけん協会(World Rock Paper Scissors Society)のじゃんけんに勝つための7か条があります。
①なにも考えない相手には「パー」が有効。(前述)
②じゃんけんに自信をもつ人、強いといわれている人は「グー」を出しにくい。そのため、「チョキ」を出せば、勝つか悪くても「チョキ」どうしであいことなる。
③同じ手が続けば、次はその手に負ける手を出すのがいい。(前述)
④自分の出す手を宣言すると、勝つ可能性が高まる。
⑤相手に考えさせないように、声を出して相手をせきたてる。すると相手は追いこまれて、直前に勝った手を出す確率が高まる。
⑥勝負の前に、「グー、チョキ、パー」と口に出しながら手の形を相手に見せる。これを何度も繰り返すと、相手の頭に無意識のうちに「グー→チョキ→パー」という順番がすりこまれて、その順番で手を出す。
⑦「パー」「チョキ」が出る確率は低いので、「パー」を出せば、負ける可能性は低い。
(出典:じゃんけん学)
◆さいごに
世界じゃんけん協会(World Rock Paper Scissors Society)を設立したボールドウィン会長は、43連勝の大記録を持っているそうです。勝ち負け(2分の1)の43乗は運だけでは起こりえない確率で、じゃんけんが技術介入要素の大きいゲームであることがわかります。
何ごとも極めることが重要という話でした。