ざっくり言うと
- DK-SIS白書によると、2021年度のパチンコ業界の市場規模は、総売上14.6兆円(前年比同)
- 低迷するパチスロを好調なパチンコで補っている現状
- 2021年度のパチンコの遊技時間粗利は、激シブの1,240円(前年比100円増)
2022年7月7日、ダイコク電機が発表した「DK-SIS白書2022年版」によると、2021年度のパチンコ業界の市場規模は、総売上14.6兆円(前年比同)、総粗利2.39兆円(同0.4兆円増)で前年と比べほぼ横ばい、コロナ禍前の7割強に留まったとのことです。
DK-SIS白書は、2004年に創刊され今号で19冊目。実ホールのデータを集計していることが最大の特徴で、データ規模は市場の約140万台分で、カバー率は約37%に及びます。
◆低迷するパチスロを好調なパチンコで補っている現状
総売上の内訳は、パチンコが8.2兆円(前年比1.0兆円増)でパチスロが6.4兆円(同1.0兆円減)。総粗利はパチンコが1.41兆円(同1,600億円増)で、パチスロが0.98兆円(同1,200億円減)。
ダイコク電機の大上誠一郎社長は、「4円パチンコが好調とはいえ、遊技時間粗利はDK-SIS集計史上、最も辛い状況で推移している。業界全体が本格的に上向くために重要なことは、規制緩和の流れが見えているパチスロをきっかけに、パチンコに依存した構図から脱却すること」と述べています。
DK-SIS室の片瀬宏之室長によると、好調な4円パチンコでは、アウトが11,230個(前年比190個増)と横ばいである一方、粗利は2,925円(同270円増)と大幅に増加し、パチスロで利益が取れない分を4円パチンコで補完しようとする動きが顕著に数字へ反映されているとしています。また、4円パチンコが前年の業績を上回るのは2008年以来、13年振りとのこと。
◆4円パチンコの出玉は従来の正月営業以下
2021年度のパチンコの遊技時間粗利は、1,240円(前年比100円増)だったとのこと。
遊技時間粗利とは、1時間あたりの1台の利益のことで、売上から客が出した玉の金額を差し引いたものです。つまり、遊技時間粗利を見れば、客がその台で1時間あたり平均していくら負けているのかがわかります。
DK-SIS室の片瀬宏之室長によると、「07年末から08年初にかけての年末年始営業では、遊技時間粗利が1,180円だった。正月はGWやお盆といった催事の中でも運用が最も辛く、一部のファンは敬遠する時期。21年は年間を通じて、それを上回るキツイ状況が毎日続いていた」と、今のホールの状況が客にとっていかに厳しいかを語っています。
大上誠一郎社長は、パチスロの低迷を4円パチンコの遊技時間粗利で補っている現状に懸念を示すとともに、パチンコ業界が上向きになるためには4円パチンコの粗利依存度を下げる必要性があると警鐘を鳴らしています。
◆パチンコ業界、復活のカギはパチスロ
DK-SIS室の片瀬宏之室長は、「パチスロが良くなれば、パチンコで粗利を補完する必要性が薄まり、遊技時間粗利を抑えることに繋がる。そうした意味でも、今後登場してくる6.5号機、スマートパチスロには期待している」と締めくくっています。
◆さいごに
今の出玉は、従来の正月以下とは。
数字で見せられると、今のパチンコがいかに勝てないのかがわかります。
ギャンブルファンが公営ギャンブルやオンラインカジノに流れるのも納得の結果かと。