ざっくり言うと
- パチンコ業界の総まとめとなる日遊協のレポート「遊技業界データブック2021」
- 一般にはあまり知らされることのないパチンコ・パチスロの粗利率も掲載
- 2020年実績で、パチンコ粗利率17.4%、パチスロ粗利率14.9%、全体で16.1%
一般社団法人 日本遊技関連事業協会(通称:日遊協)の年次レポート「遊技業界データブック2021」は、官公庁・シンクタンクなどが公開した業界データの横断的な分析がなされており、パチンコ業界を俯瞰できる内容となっています。普段、一般には公開されていないデータなども紹介されており、とても読み応えのある内容です。
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◆パチンコ業界の粗利率は16.1%
本レポートには、一般にはあまり知らされることのないパチンコ・パチスロの推計粗利率の推移も掲載されています。データの出典は、通常は業界関係者に有料で提供されているダイコク電機「DK-SIS白書」(パチンコホール向け会員制情報提供サービス)。
パチンコホールの粗利(※1)は、貸玉(メダル)料である売上高からプレイヤーに提供した賞品の仕入額を差し引いた金額、粗利率は粗利/売上高で算出されます。つまり、粗利率は、パチンコホールがどのぐらいの割合で出しているのかを示す指標です。
<パチンコ・パチスロ売上と推計粗利率の推移> データ出典:DK-SIS白書
(※1)粗利・粗利率:
「粗利は、貸玉(メダル)料である売上高からプレイヤーに提供した賞品の仕入額を差し引いた金額、つまり粗利益が占める割合は時代とともに変化していますが、現在は平均で15%いったところでしょうか。最終的な利益は、そこから遊技機の購入費やスタッフの人件費、さらには電気代や家賃(賃貸の場合)などを差し引いたものになります。」パチンコ業界WEB資料室(ダイコク電機)より
また、香港マーケットに上場しているダイナム社(証券コード:6889)の開示情報によると、同社の粗利率(回収率)は約20%で業界平均より4ポイントほど高くなっていました。つまり、「他店より粗利率が高い=客は勝ちにくい」ことがわかります。
<2021年9月中間決算>
PAYIN: 255,403百万円
PAYOUT: 205,264百万円
粗利: 50,139百万円
粗利率: 19.6%
<2020年9月中間決算>
PAYIN: 219,663百万円
PAYOUT: 174,408百万円
粗利: 45,255百万円
粗利率: 20.6%
<2022年4月1日追記>
パチンコ業界メディアのぐりーんべるとに掲載された2022年2月の粗利率は、20円パチスロ13.4%、4円パチンコ15.5%。
データ出典は、ホールデータ管理システムを手掛けるピーブレイン。
20円パチスロ
2020年2月粗利率(粗利/売上):13.1%
2021年2月粗利率:13.1%
2022年2月粗利率:13.4%
4円パチンコ
2020年2月粗利率:15.6%
2021年2月粗利率:15.5%
2022年2月粗利率:15.5%
(出典:ぐりーんべると)
◆パチンコとカジノは、どちらが勝ちやすい?
パチンコの粗利率が公開されたことで、パチンコとカジノの勝ちやすさの比較ができるようになりました。パチンコの粗利率は、カジノで言うところのホールド率(HOLD PERCENTAGE)と同じです。
ホールド率=(収益)/(ドロップ)=(ゲームでのカジノ側の儲けの総額)/(Buy-In:お客さんが持ち出したお金の総額)
ホールド率の詳細は、過去記事「カジノ側の勝ちはどのぐらい?」を参照ください。
2020年のパチンコ・パチスロの粗利率と、ラスベガスがあるネバダ州カジノのホールド率(2018年実績)の比較です。
パチンコ:17.4%
パチスロ:14.9%
スロットマシン:6.85%
Blackjack:13.70%
ルーレット:18.48%
バカラ:12.34%
ミニバカラ:11.83%
クラップス:14.86%
キノ:26.49%
パチンコ・パチスロの粗利率とカジノのホールド率はそう変わらないことがわかります。
◆さいごに
パチンコ業界は売上の減少が続いていますが、幸いなことに粗利率は16%前後で安定しています。
釘や設定を絞り売上減を粗利率増で補えば、それこそお客が離れ、パチンコ業界に致命的な一撃を与えかねません。
昨日22日のゾロ目デーは、近所のホールが月に2回の旧イベント日であったにもかかわらずお通夜状態でした。
ガセイベントはほどほどに!