ざっくり言うと
- 大阪市議会は、遊技のパチンコをギャンブルと位置付ける
- 依存症対策への支援を政府に求める意見書を全会一致で可決
- 大阪府遊協は、警察庁がパチンコをギャンブルとして扱っていないと抗議
- パチンコをギャンブルでないとするのは、さすがに無理があるのでは?
2022年5月25日、大阪市議会は、遊技のパチンコやパチスロなどをギャンブルと位置付け、依存症対策への支援を政府に求める意見書を全会一致で可決しました。
また、大阪市の松井一郎市長は、これまでもギャンブルとしてカジノが厳格に規制される一方、パチンコが遊技のため、実態とは異なり依存症対策などに開きがあると苦言を呈していました。そして、今回改めて、「パチンコは夜店のスマートボールと同じ扱い。(中略)ギャンブルと位置付け、真正面から依存症の方のケアに取り組むべき」と述べています。
◆大阪市議会が政府に求めた意見書の内容
1.パチンコ・パチスロ・ネットカジノ・オンラインカジノ等については依存症患者も多く、カジノ事業との整合性の観点から、国の適正な指導・管理のもとに運営されるよう法整備を行うこと
2.すべての都道府県が速やかにギャンブル等依存症対策推進計画を策定できるよう支援すること
3.地方公共団体が独自に行うギャンブル等依存症対策について、国は予算措置を講じること
「パチンコ、パチスロ等をギャンブルに位置づけ、ギャンブル等依存症防止のための適切な対策を促進させることを求める意見書」
◆これに対して、大阪府遊協は大阪市に猛抗議
2022年5月30、大阪府遊技業協同組合(大阪府遊協)は、パチンコ営業に関して適切な評価に基づく取扱いを求める陳情書を大阪市に送付しています。
陳情書では、パチンコ営業は、監督官庁の警察庁がギャンブルとして扱っておらず、判例等でもギャンブル認定されたことはないと説明した上で、違法性の高いオンラインカジノと同一視したことに「甚だ残念」と抗議しています。
さらに、「今回の件は、組合員だけではなく全国のホール、メーカー、販社等の関連業者、並びにその従業員、家族を傷つけたことを承知いただくとともに、今後、パチンコ営業に関しては、適切な評価に基づく取扱いを行っていただくよう陳情する」と理解を求めています。
また、6月3日、大阪府遊協の通常総代会の懇親会で、平川理事長は、「市議会の決議は、健全に事業を行って許認可を取得している産業をネットカジノやオンラインカジノと同列に並べている。大阪維新のこのような政治的な言動は許されない。市議会議長には、陳情書と国と内閣官房から遊技業界は依存対策を推進しているという評価を受けている資料を提出しているので、皆さんとともに力を合わせてこの難局を乗り越えていきたい」と述べています。
◆維新の会の真意(6月27日追記)
「パチンコはギャンブル」維新の会の真意とは(Amusement Japanより)
『日本維新の会の2021年版の政策提言には、「パチンコは遊戯ではなくギャンブルとして位置づけ課税することも視野に、パチンコ産業の健全化に向けた法整備を行います」とある。2022年版では表現が修正され、「パチンコ・パチスロ等のギャンブル等関連事業についても、遊戯ではなく賭博と位置づけ、事業者の事業の実施の方法や責務を明確化するとともに、国や地方自治体による課税や広告の規制なども含めた適正な管理のもとに運用されるよう法整備を行います」となっている。』(藤田あきら議員)
◆さいごに
競馬・競輪などの公営ギャンブルは売上の一部を国庫納付金として、カジノは売上の一部をカジノ税として、大きく社会に貢献しています。単なる民間事業者のパチンコ業界だけが、特別扱いされギャンブル商いを黙認されているのはいかがなものかと思います。
また、パチンコがギャンブルであることは、小学生でも知っている話です。
カジノという新たなギャンブルが誕生する今、パチンコはそろそろ仕切りなおす時期にきているのでは?