ざっくり言うと
- 韓国での違法ギャンブルの市場規模は102兆7,236億ウォン(約11兆2,627億円)
- 違法オンラインギャンブルが36.5%を占める
- 違法オンラインギャンブルの苦情・通報は、4年間で3倍に急増
2024年10月18日、韓国には18か所のカジノがあります。しかし、その17か所は外国人専用で、韓国人が合法的にギャンブルができるカジノはソウルから160キロ離れた江原(カンウォン)ランド1か所のみです。また、許可されたその他のギャンブルも、国営宝くじと特定の海外競馬のみで大きく制限されています。
韓国刑法では、賭博罪が認められれば、1,000万ウォン(110万円)以下の罰金で処罰され、もし常習的に賭博をすれば、常習賭博罪を適用して3年以下の懲役または2,000万ウォン(220万円)以下の罰金で処罰されることになります。
韓国の国家賭博管理委員会(NGCC)の調査によると、2022年の違法ギャンブルの市場規模は102兆7,236億ウォン(約11兆3,000億円)と推定されており、2019年比で26%増加しています。また、オンラインギャンブルが約37兆5,059億ウォン(約4兆1,000億円)と36.5%を占めています。国家賭博管理委員会は、韓国の成人237万人(人口のおよそ5.5%)がギャンブル依存症だと推定しています。
2023年に韓国で報告された違法ギャンブルは、オンラインギャンブルが最も多く48,648件のうち80.3%、次いで違法スポーツベッティングが19.4%を占めています。特に違法オンラインギャンブルの苦情・通報は、2019年の13,064件から2023年には39,082件と4年間で3倍に急増しています。
◆韓国のZ世代を蝕むオンラインギャンブル
違法オンラインギャンブルは、スマホひとつで24時間いつでも賭けることができる気軽さから、Z世代にまで浸透しており、深刻なギャンブル依存症に陥る若者が急増しています。18,400人の学生を対象とした調査では、26%が過去3ヶ月以内にオンラインギャンブルを行ったことが明らかになっています。
韓国警察庁が作成した「賭博犯罪少年および触法少年の検挙状況」によると、賭博で摘発された若者は、2015年の59人から2024年8月時点で328人となっており、約10年間で5.5倍に急増しています
この人数は、刑事立件を基準にまとめられており、初犯で賭け金が50万ウォン(約5万5,000円)未満の場合は注意処分で済まされるためこの統計には含まれていません。刑事立件事犯となると、賭け金が500万ウォン(約55万円)以上、もしくは再犯、もしくは主導的に賭博を開いて利益を得た場合などの犯罪に限定されます。つまり、若者の悪質な賭博事犯が急増していることがわかります。
また、韓国ギャンブル依存症予防・治療センターのデータによると、今年ギャンブル依存症の治療を受けた未成年者は2,600人を超え、2017年から4.6倍に増加しています。加えて、女性家族省が2023年4月に全国の中学1年生と高校1年生約88万人を対象に行った調査によると、約29,000人がギャンブル依存症の危険があると診断されています。