2022年02月19日

カジノで大負けした男たち

小ネタ
カジノで大負けした男たち

ざっくり言うと

  • ラスベガスのバカラで、4億6,000万円負けたハマコー
  • 106億円を熔かした大王製紙・井川元会長
  • カジノで大負けして中国第6位の携帯メーカーを潰したリュウCEO
  • メッタ刺しで惨殺された柏木昭男

今回はあまり語られることのない、カジノで大負けした男たちです。

◆政界の暴れん坊ことハマコー

ラスベガスで4億6,000万円負けた話は、ハマコー(浜田 幸一氏)の武勇伝として、今も語り継がれています。1973年(昭和48年)11月、ラスベガスのフラミンゴで、バカラに毎ゲーム500万円ほど賭けて勝負し、当時の為替レートで約4億6,000万円を一晩で負けています。

しかし、後の自書『YUIGON』の中で、それは事実ではないと語っています。ハマコー氏は、ロッキード社がとある人物に渡した5億円の賄賂を表に出ず、かつ、税金のかからない形で返したにすぎず、4億6,000万円はわざと負けたものだと当時を振り返っています。ハマコー氏が負けた事実は、同席者によって裏付けられていますが、ハマコー氏の負け惜しみとも思える主張の真偽は定かではありません。

 

◆バカラで106億円熔かした大王製紙・井川元会長

大王製紙の創業家経営者であった井川意高氏は、2010年4月から2011年9月までに総額106億円を不正に引き出し会社に損害を与えました。流用したお金は、マカオやシンガポールなどのカジノで熔かしたと井川氏本人が語っています。井川氏の負けっぷりは、自書『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』の中で詳細に綴られています。カジノで熔かした106億円は、後に井川氏より会社に全額返済されいます。

<資金流用の詳細>
2009年
夏 数百万円借り入れ

2010年
5月 5億5000万円借り入れ
6月 9億5000万円借り入れ
11月 5億5000万円借り入れ

2011年
1月 11億円借り入れ
2月 10億円借り入れ
3月 5億円借り入れ
4月 6億5000万円借り入れ・21億円返済
6月 10億3000万円借り入れ・8億4300万円返済
7月 22億5000万円借り入れ・12億5700万円返済
8月 11億円借り入れ
9月 10億5000万円借り入れ
(出典:ウィキペディアより)

 

◆バカラで数百億円熔かした中国人

2002年に設立されたGionee(ジオニー)は、かつては中国市場で6%のシェアを占め、インド市場のシェアで中国メーカー首位の座にも立ったことのある、中国で最も古い携帯電話ブランドのひとつです。

2016年には約4,000万台の携帯電話を販売し、2017年の中国での携帯電話販売台数はアップルに次ぐ6位にランクインしていましたが、Huawei やXiaomiなどとの競走に敗れ、2018年に倒産しました。

このジオニーの倒産は、創業者である劉立栄(Liu Lirong:以下、リュウ氏)がカジノで大負けしたことがトドメを刺したと言われています。

ジオニーの負債総額は、200億人民元(約3,000億円)を超えており、そのうちの100億人民元(約1,500億円)の使途不明金がリュウ氏によってギャンブルに投じられた疑いが持たれています。リュウ氏は、後のメディアのインタビューで、サイパンのインペリアル・パシフィック・カジノで5年間に10億人民元(約150億円)を失ったと告白しています。

また、1回の賭けで7億ドル(約770億円)を失ったなどの報道もありますが、インペリアル・パシフィック・カジノが胴元としてそれほどの賭けを受けられるとは到底考えられず、現実的な話として、リュウ氏の負けは5年間で数百億円だったと思われます。

ちなみに、インペリアル・パシフィック・カジノは、リュウ氏がいくら負けたのかを明らかにしていませんが、同カジノの2019年(ジオニー倒産の翌年)の収益はわずか5億3,900万香港ドル(約75億円)で83.4%減少し、39億4,000万香港ドル(約547億円)の赤字となりました。

 

◆メッタ刺しで惨殺された柏木昭男

こちらは古い事件ですが、もっとも悲惨な末路を辿っています。

1992年1月、山梨県の自宅で不動産会社社長の柏木昭男氏(当時54歳)が、日本刀のような長い刃物で首や胸など十数カ所をメッタ刺しで惨殺されました。

柏木氏は、オーストラリアのカジノで約30億円勝ち、世界で名が知られるようになり、ロバート・デ・ニーロ主演の映画『カジノ』では、柏木氏をモデルにした日本人(市川氏)が登場します。

トランプ大統領との戦いも有名な話で、柏木氏はニュージャージー州のカジノ「トランプ・プラザ」において、2日間で600万ドル(当時のレートで約9億円)勝っています。

トランプ氏と柏木氏の次の戦いでは、柏木氏は1,200万ドル(当時のレートで約18億円)のチップを2倍にするか、すべてを失うまで勝負を続けるという条件を呑んで勝負し、6日間で1,000万ドル(当時のレートで約15億円)を失っています。

その後、柏木氏は武運に見放され、殺された時はカジノに少なくとも900万ドル(当時のレートで約13億5,000万円)の借金があり、そして、負けを支払おうとしない柏木氏は、見せしめのために殺されたとされています。

 

◆さいごに

かのアルベルト・アインシュタイン博士は、プレイヤーがルーレットで長期的に勝てることはないと一瞬で見抜き、『そこから金を盗みでもしない限り、ルーレットテーブルで勝つことなどできはしない』との言葉を残したとされています。

ギャンブルは楽しむためのものであって、そこで人生を踏み外してしまうのは愚の骨頂です。
ギャンブルはほどほどに…