2022年03月15日

スーパーボウルでブックメーカーの胴元が大負けした話

小ネタ
スーパーボウルでブックメーカーの胴元が大負けした話

ざっくり言うと

  • ネバダ州の胴元は、2022年は過去最高の200億円が賭けられ、17億円の収益
  • ニュージャージー州の胴元は、2019年、2020年と2年連続の負け越し
  • ネバダ州の胴元は、過去31回のスーパーボウルで2回しか負けていない

2022年2月13日に開催された第56回スーパーボウルは、ロサンゼルス・ラムズがシンシナティ・ベンガルズを23−20で破り、22年ぶりに優勝を果たしました。

スーパーボウルは、アメリカ最大のスポーツイベントであるとともに、10人に1人以上のアメリカ成人が賭けをする最大のギャンブルイベントでもあります。

アメリカでは、2018年にスポーツベッティングが解禁され、すでに50州中30州で合法化されサービスを開始しています。また、残る20州のうち、3州はこれから事業が開始され、7州は合法化が検討されています。そして、米国ゲーミング協会は、今年のスーパーボウルには、アメリカ成人の3,140万人が約8,500億円(76億1,000万ドル)を賭けると予測していました。

ラスベガスを有するネバダ州の試合後の公式発表では、今回のスーパーボウルには過去最高の200億円(1億7,980万ドル)が賭けられ、うち8%に相当する17億円(1540万ドル)の収益を記録したとのことです。

 

◆スポーツベッティングでは胴元が負けることも

一般に、胴元は負けることはないと思われているブックメーカーですが、ニュージャージー州の胴元は、2019年のスーパーボウル53、2020年のスーパーボウル54と、2年連続で負け越しています。

Super Bowl 54 Delivers New Jersey Sportsbooks $4.28M Loss, as Bettors Win on Chiefs Victory
(チーフスの勝利でベッターも勝利、ニュージャージー州のスポーツブックがスーパーボウル54で4.28ミリオンドルの損失)

 

ニュージャージー州は、2018年の米国最高裁判所によるギャンブル禁止を廃止した後、すぐにスポーツブック市場に参入した州のひとつです。ニュージャージー州の賭博執行部は、スーパーボウル54には総額5,428万ドル(約60億円)が賭けられ、胴元に428万ドル(約4.7億円)の損失が発生したと伝えています。これは、昨年の3,480万ドル(約38億円)から56%増加しており、また、胴元はスーパーボウル53も457万ドル(約5億円)を失っています。

一方で、ラスベガスに代表されるネバダ州の胴元は、過去31回のスーパーボウルの賭けで2回しか負けていません。

 

◆さいごに

圧倒的に胴元が有利なギャンブル市場において、胴元が負け越すことは極めて稀です。ただし、ニュージャージー州はスポーツベッティングに新規参入するにあたり、顧客を獲得するために先行投資として他州よりオッズを優遇したという話もあり、日本で言うところの、パチンコ店の新装開店での大盤振る舞いだったということのようです。