ざっくり言うと
- 年1回以上の参加人口は、約708万人(前年比で約8万人減)となり、若干減少
- 約94万人が減少した前年と比較すると今年は約8万人と減少は鈍化
- 昨年の減少要因が新型コロナであったのに対して、今年は「勝ちにくさ」や「パチスロ機の魅力の低下」
- 定期的に遊ぶ層の離脱、高年層(50歳~)の遊技人口減は、パチンコホールの売上維持において致命的
2022年4月21日、日本遊技関連事業協会(日遊協)が毎年実施している「パチスロプレイヤー調査2021」の調査報告書が発表されました。
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パチスロプレイヤー調査2021
■パチスロ参加人口
2021年の年1回以上の参加人口は、約708万人(前年比で約8万人減)となり、若干減少しています。
年代別では、「20代」と「50代」は横ばい、「30代」は約16万人減少、「40代」は約26万人増加、「60代以上」は約23万人減少と世代によって大きな違いがみられます。
要約版のレポートには記載されていませんが、参加率では50代以上は減少する一方で、40代以下は上昇しており、若・中年層で回復が見られるとのことです。
(出典:パチスロプレイヤー調査2021)
■以前よりも遊ぶ回数が減った理由
「勝ちにくい」が最も高く約4割。2番目に「おもしろい機種がない」が挙げられており、遊技機そのものへの不満が大きいことがわかります。また、3番目の要因に「自由に使えるお金が減った」が挙げられており、ユーザーの懐具合の影響も少なくないことがわかります。
(出典:パチスロプレイヤー調査2021)
■パチスロで遊ばなくなった理由
「勝ちにくい」が休止者全体の7割以上。「遊び方の複雑さ」「おもしろい機種がない」も5割以上。やめた時期が近い休止者ほど遊技機に関する要因が高い傾向にあります。本調査は、5号機完全撤去の直前となる2022年1月6日~1月12日に実施されたもので、5号機撤去後はパチスロユーザーの3人に1人以上は遊技回数が「減る」または「止める」と回答しています。
そして、6号機で今後遊ばないと思う理由は、「一撃の獲得枚数が期待できない」「勝ちにくい」「通常中が面白くない」が、パチスロの再開条件も「勝ちやすさ」「魅力のあるパチスロ台」が上位となっており、パチスロが復活するためには、遊技機規則の抜本的な改善が不可欠のようです。
(出典:パチスロプレイヤー調査2021)
◆さいごに
約94万人が減少した前年と比較すると今年は約8万人の減少と、一見、パチスロ業界の衰退は鈍化したように思われます。しかし、昨年減少の最大の要因が新型コロナ感染の影響であったのに対して、今年の要因は「勝ちにくさ」や「パチスロ機の魅力の低下」によるものと推測でき、パチスロ業界衰退の要因としては今年のほうがはるかに深刻です。特に、定期的に遊ぶ層の離脱、高年層(50歳~)の遊技人口減は、パチンコホールの売上維持において致命的です。
一方で、パチスロ業界の明るい兆しとして、直近では、一撃上限2,400枚が差枚に緩和される6.5号機、その先には、メダルレスパチスロの投入が予定されています。しかしながら、一度離れてしまった客を呼び戻すためにはマイナーチェンジの6.X号機では難しく、大規模な規制緩和をひっさげた7号機の登場に期待するしかないように思います。