ざっくり言うと
- 最も貧困な地域の住民は、2倍のギャンブルアカウントを有している
- オンラインカジノへの参加と支出は、最も貧困な地域に偏って集中している
- 賭け金の多い上位10%のアカウントが、ギャンブル事業者収益の79%を生み出している
- 賭け金の多い上位20%のアカウントが、ギャンブル事業者収益の90%強を生み出している
巷で囁かれる「貧乏人ほどギャンブルにはまる」。これを裏付けるデータが公開されました。
GambleAware(ギャンブル被害の削減を目的として、ギャンブル産業からの寄付で運営されている独立評議会)の依頼で、国立社会調査研究所(NatCen)とリバプール大学が発表した調査レポート「Patterns of Play」では、貧乏人がより多くオンラインギャンブルにはまっている実態が示されています。
このレポートは、2018年7月から2019年6月にかけて、大手ギャンブル事業者7社から提供された139,152のオンラインギャンブルアカウントが分析されています。
Online gambling: twice as many gaming accounts belong to customers in most deprived areas
◆調査レポートのポイント
※ゲーミング:オンラインカジノ、オンラインスロット、オンラインポーカーなど
※ベッティング:スポーツベッティング
・最も貧困な地域の住民は、2倍のゲーミングアカウントを有している。
・ゲーミングへの参加と支出は、ベティングと比較すると、最も貧困な地域に偏って集中している。
・ゲーミングアカウントの29%は、面積比率で13%の最も貧困な地域からもたらされている。
・ゲーミングによる顧客損失の25%は、面積比率で20%の最も貧困な地域からもたらされている。
・賭け金の多い上位10%のアカウントが、ギャンブル事業者収益の79%を生み出している。
・賭け金の多い上位20%のアカウントが、ギャンブル事業者収益の90%強を生み出している。
・ゲーミングに参加した人と損失は、より貧困な地域に集中しており、ベッティングと比較すると、1年間で数千ポンドの損失を出した顧客の割合がより高い。
・特にオンラインスロットは、事業者収益の多くを占め、ギャンブル害を及ぼす可能性が高い。
・ゲーミングとは対照的に、ベッティングでは、参加率と事業者収益への貢献度において、貧困層の幅がより緩やかである。
◆さいごに
「貧乏人ほどギャンブルにはまる」
なんとなくそうだろうと思っていましたが、約14万件の実データで裏付けられると、ぐうの音もでません。
圧倒的に胴元が有利なギャンブルです。やればやるほど負けが大きくなるのも当然かと。
ギャンブルは、無理のない範囲で、ほどほどに。