ざっくり言うと
- 摘発された神戸市のインターネットカジノ店、半年間の売り上げは1億6,000万円超
- 判決は、懲役1年6月、執行猶予3年、罰金100万円、追徴金1億6,030万円
- 一般にカジノの粗利率は15%程度。見せしめの意図を強く感じる厳しい判決
2022年1月12日、神戸新聞が報じた記事によると、神戸市の三宮でインターネットカジノ店を経営したとして、常習賭博罪などに問われた男(25)の判決公判が神戸地裁であり、岡本康博裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年、罰金100万円、追徴金1億6,030万円を言い渡したとのこと。
闇カジノを経営、追徴金1億6千万円の判決 男の取り分は762万円だった
『判決によると、男は2020年12月から21年6月まで、経営していた賭博店「アルバトロス」(中央区北長狭通1)で、店長や従業員と共謀し、店内のパソコンを使って不特定多数の客と「バカラ」などのゲームで常習的に賭博をした。量刑の理由で岡本裁判官は、男が店舗の確保や備品の購入など中心的役割を果たしたとし、「社会に悪影響をもたらしてでも利益を得ようという利欲的で反社会的な動機」と指摘。同店が半年間で1億6千万円超を違法に売り上げたとする検察側の主張に沿う追徴を宣告した。検察側によると、男は店の売り上げから、客への払戻金や経費などを引いた約762万円を取り分として得ていたという。』(神戸新聞)
◆さいごに
一般にカジノ側の儲けは、ホールド率であらわされます。
ホールド率をざっくりいうと、お客さんが購入したチップをカジノが取り戻した比率のことです。
ホールド率=(収益)/(ドロップ)=(ゲームでのカジノ側の儲けの総額)/(Buy-In:お客さんが持ち出したお金の総額)
通常、テーブルゲームのホールド率は15%程度です。
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本記事では、アルバトロスの売り上げは半年間で1億6千万円とありますが、これはお客さんが持ち出した金額であって店側の儲けではなく、また、通常のカジノであれば粗利率は約15%です。となると、アルバトロスの粗利は2,400万円程度。そこから、家賃・光熱費、従業員の人件費、サービスチップなどの販促費を差し引くと、利益はあって売り上げの10%程度だったと思われます。
それに対して、追徴金が1億6,030万円とは、あまりにも厳しい処分です。
見せしめの意図が強く感じられる判決のように思います。