2024年01月25日

偽造チップで約3,000万円を荒稼ぎ(マカオ)

偽造チップで約3,000万円を荒稼ぎ(マカオ)

ざっくり言うと

  • マカオのカジノで偽造したカジノチップが使用され、カジノが約3,000万円の損害を被る
  • 額面100香港ドルの正規チップを、額面10,000香港ドルチップに改造する手口
  • 本件で思い出されるのは、昨年8月、ギャラクシー・マカオでの偽造チップ騒動

2024年1月25日、マカオ司法警察は、20日の夜、コタイ地区のカジノで偽造したカジノチップが使用され、カジノが約162万香港ドル(約3,000万円)の損害を被ったと発表しました。

警察担当者によると、この犯罪グループは、額面100香港ドル(約1,880円)の正規チップを、額面10,000香港ドル(約18.8万円)チップに改造して使用した疑いがもたれています。

事件の発覚は、ディーラーがチェックラック(ディーラーの手元にあるチップ置き場)の中にあった額面10,000香港ドルチップ25枚が偽造であることに気づき、カジノの警備員が男4人の身柄を取り押さえ、警察に通報したとのことです。また、その後、警察官が現場で調査を進めていた際、換金所で偽造チップを換金しようとしていた別の男ひとりを逮捕しています。

5人は取り調べに対して、チップが偽造されたものとは知らず、報酬目当てで他人の指示を受けカジノでプレイしたと不正行為を否認していますが、警察は5人を組織犯罪及び相当巨額詐欺罪で検察院送致する方針とのことです。

 

チップの偽造方法について、警察からの詳しい説明はありませんが、警察は各チップにRFID(無線自動識別)セキュリティタグが埋め込まれていることを確認しています。RFIDセキュリティタグが埋め込まれたチップは、ゲームテーブルや換金所に設置されたRFID読み取り機で偽造を検知できるため、一般にはチップの偽造は難しいとされています。

警察は、犯行グループが100香港ドルチップと10,000香港ドルチップの色が似ていることを利用したと指摘しており、33枚の偽造チップを回収しています。また、犯行グループがこのイカサマが長く通用しないことを悟っており、できるだけ早くチップを換金して、偽造が発覚する前にカジノを出ようとしていたと推測しています。

警察がカジノの監視カメラ映像を分析した結果、土曜日の22時30分頃、犯行グループのメンバーは2つのチームに分かれてバカラのテーブルで短時間の間に大量の偽造チップを使い、ディーラーに発見される前に、各テーブルで17万香港ドル(約320万円)分、105万香港ドル(約1974万円)分の本物のチップを獲得していたとのことです。

加えて、事件の発覚に気づいた犯行グループの幹部数名は、10万香港ドル分の本物のチップを持って中国本土に逃走しましたが、逃走先の広東省で3人が逮捕され、ひとりはまだ逃走中です。中国公安局は、逃走した容疑者の行方を追うとともに、グループの余罪、活動期間、偽造チップの制作方法などについて捜査を進める方針とのことです。

 

そして、今回の件で思い出されるのが、昨年8月に起こったギャラクシー・マカオでの偽造チップ騒動。2人の中国人イカサマ師が、プレイしたわずか2時間の間に、額面10,000香港ドルの偽造チップを少なくとも493枚流通させ、カジノは少なくとも560万香港ドル(約1億円)の損害を被りました。

現在、限りなく本物に近い偽造チップがダークウェブを通じて簡単に購入できるため、今後、偽造チップ事件は増加していくことが予想されているようです。