ざっくり言うと
- 2024年6月29日放送のNHKスペシャル「調査報道 新世紀 File4 オンラインカジノ 底知れぬ闇」
- マルタ共和国に取材を敢行し、オンラインカジノの裏側を暴露
- 「正直言って、規制のない市場で(イカサマを)しないはずないでしょう」
2024年6月29日、NHKで放送されたNHKスペシャル「調査報道 新世紀 File4 オンラインカジノ 底知れぬ闇」がオンラインカジノの裏側を暴露しています。
本番組では、オンラインカジノの拠点マルタ共和国に取材を敢行し、関係者から生の声を聴取しています。
◆ギャンブルコンテンツ配信会社元社員の証言
「裏側を知っているので」
「やっぱ最初にすごい勝たせておいて、勝たせたら皆さんやる気出るじゃないですか」
「勝つかも」「次もあしたもギャンブルやろう」みたいな感じになるじゃないですか
「それが狙いで実際は、裏側は」
「1回めっちゃ勝つと勝たないようになってるらしいです」
「本当は平等じゃないんですあれ。調節、いじられてる」
「コントロールされてますね。あれは確実に」
「だいぶズルですからね」
「チート(だまし)ですからね」
◆ギャンブル事業運営会社元社員の証言
「間違いありません。私も時々目撃しました。彼らはランダムなギャンブル(正当なギャンブル)を避けています」
「(客に)小さな利益を得ることを許す一方、大きな賭け金を取り上げている可能性は非常に高いです」
「正直言って、規制のない市場で(イカサマを)しないはずないでしょう」
◆マルタ共和国のオンラインカジノライセンス
あまり語られることのないオンラインカジノのライセンスについて、カジノ業界メディアのYOGONETが規制が厳しいとされるマルタ共和国の状況を紹介していました。
A guide to the Malta online gambling license
(マルタのオンラインカジノライセンスのガイド)
かつてイギリスの植民地であったマルタ共和国は、地中海のシチリア島と北アフリカの海岸の間に位置しています。わずか316平方キロメートルの国土の中に約515,000人の人口を抱え、世界で最も人口密度の高い国のひとつとなっています。かつては観光業のみで成り立っていましたが、現在では、金融サービス、iGaming、ビットコイン、ブロックチェーン、その他の種類のフィンテックが主要産業となっています。
マルタ共和国のオンラインカジノライセンスは、他国に比べ取得が難しく、かつ高額なものになっていますが、カジノ事業者が短期で信用を獲得できることから、世界で最も人気のあるライセンスのひとつとなっています。
マルタ共和国のギャンブル局は、その厳しい審査要件で知られています。申請者は、身分証明書、住所証明、犯罪歴のチェック、銀行・弁護士や会計士を含む専門家からの推薦状の提出、カジノ活動を行うための経験を有することを証明する必要があります。加えて、詳細なビジネスプランだけでなく、すべてのゲームソフトウェア、ホスティング、乱数生成認証などの詳細を提出しなければなりません。すべての書類が提出した後、審査プロセスに10~12週間を要し、申請者は定期監査に加えて、当局の要請に応じて臨時監査を行う義務を負っています。ライセンス費は、年間で約50,000ユーロ(約615万円)となっています。
一般に、規制が厳しいとされるマルタ共和国ですらこの有様です。となると、規制が緩いとされるオランダ領キュラソー島やカナダのケベック州モントリオール近郊にある先住民居留地カナワク自治区などのライセンスは、ほとんどあてにならないと考えたほうがいいのかもしれません。
◆さいごに
イカサマが当たり前のオンラインカジノで勝てる訳がないですね。