ざっくり言うと
- ウラジオストクは、日本から一番近いヨーロッパカジノ
- 成田から飛行機で、わずか2時間半
- ロシアのウクライナ侵攻を受けて最も遠いヨーロッパに
◆日本から一番近かったヨーロッパカジノ
成田空港からわずか2時間半で、古き良きロシアの雰囲気が味わえるロシアの極東ウラジオストク。
話題のインスタ映えスポットも豊富で、最近は、若い女性を中心に人気が急上昇していました。
このブームのきっかけは、2017年に電子ビザが導入され、自宅のパソコンから簡単にビザの申請・受領ができるようになったことです。
また、このウラジオストク人気にあやかって、JAL、ANAともに2020年春から、成田~ウラジオストク線の就航を開始しました。
◆ウラジオストクのカジノ事情
ロシアでは、2009年に施行された賭博禁止令によって、500件以上のカジノが閉鎖されましたが、例外として、4つの地域をカジノ特区に定めています。そのひとつが、ウラジオストク空港の近隣に位置するプリモリエ・エンターテイメントゾーン(Primorye entertainment zone)です。
Wikipediaによると、「プリモリエ・エンターテイメントゾーンの総面積は619ヘクタール(東京ドーム132個分)。当面は263ヘクタール(東京ドーム56個分)が開発に供され、現在は7つのカジノを含む統合型リゾート(IR)計画が決定しているが、将来的に8~11箇所にまで拡大する見通し。エンターテイメント、カジノ、ホテル、ヴィラ、ヨットクラブ、その他観光アトラクションを含む世界的なエンタテインメント都市として、2022年の完成を目指す。」となっていますが、開発計画はコロナ禍の影響を受け大きく遅延しています。
現在、営業しているカジノは、2015年10月に開業したTigre de Crystal Hotel & Resortぐらいです。
Tigre de Crystal Hotel & Resortは、ローレンス・ホー氏率いる香港のMelco系列のカジノで、ウラジオストク空港から車で約20分のところに位置します。テーブル40台、スロット3000台と、それほど大きなカジノではありません。これから大規模な拡大が予定されていましたが、コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻による経済の不確実性により、拡大は2025年に延期されました。
2020年10月16日、プリモリエ・エンターテイメントゾーンに2つ目のカジノ シャンバラがオープンしましたが、現在は一旦クローズしているようです。
2022年3月4日、カンボジアのカジノグループ「NagaCorp」は、ロシアのウクライナ侵攻などを理由に、ウラジオストク近郊のカジノリゾート開発を中止しました。
◆さいごに
2022年2月22日、ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配している地域の独立を一方的に承認したうえで「平和維持」を名目にロシア軍の現地への派遣を指示し、24日にウクライナ侵攻を開始しました。この暴挙を受けて、アメリカ、イギリス、カナダ、日本などの主要国は、ロシアへの経済制裁を発動。
そして、2022年3月7日、外務省は、ロシア全土の危険情報をレベル3の「渡航中止勧告」に引き上げた結果、ウラジオストクは日本から最も遠いヨーロッパになってしまいました。