2023年02月01日

過去最大規模の闇ネットカジノ摘発、売上は500億円とも(歌舞伎町)

過去最大規模の闇ネットカジノ摘発、売上は500億円とも(歌舞伎町)

ざっくり言うと

  • 新宿区歌舞伎町のオンラインカジノ店「SEXY」摘発
  • 2005年からの17年間でおよそ490億円を売り上げていた
  • 警視庁は、およそ9,000人分の顧客名簿を押収

2023年2月1日、複数メディアの報道によると、新宿区歌舞伎町のオンラインカジノ店「SEXY」が摘発され、店長の人見浩司容疑者、責任者の松井充玄容疑者ら8人が常習賭博容疑で逮捕されました。また、客の4人も逮捕されましたが、取り調べの上、釈放されています。
逮捕された8人は、取り調べに対し、全員が容疑を認めているとのことです。
警視庁によると、オンラインカジノは「SPEED」と呼ばれるグループが関わり、暴力団の資金源になっていたとみられています。

 

◆17年間で売上490億円

「SEXY」は、店内に客用のパソコン35台を設置、海外のカジノサイトに接続し、獲得したポイントを換金する、いわゆるインカジ店。東京・歌舞伎町2丁目の地下1階地上7階建ての雑居ビル1階に入っており、計約180平方メートルの室内に客用のパソコン35台を設置。24時間営業。

客同士の紹介制で一日に70人から80人の客が出入りしていたとのこと。今回の摘発で、およそ9,000人分の顧客名簿が押収されています。顧客名簿を分析した結果、2005年からの17年間でおよそ490億円を売り上げていたとみられています。
警視庁と福岡県警の共同捜査本部は、この名簿をもとに、実態の解明を進めていくとのことです。

 

<2023年6月2日追記>
警視庁などは、5月31日、違法ネットカジノ店を運営したとして、新たに男4人を常習賭博の疑いで逮捕しました。2017年以降に、オンラインカジノ店「SEXY」で約6億9,000万円の利益を得たとみられ、他にも複数の違法カジノ店を運営していた疑いがあるとみて調べているとのことです。

捜査関係者によると、逮捕されたのは東京都新宿区の不動産会社「ネオジオリアルエステート」代表の葛西悠介容疑者、役員の潟山孝之容疑者ら4人。4人は、歌舞伎町でネットカジノ店「SEXY」を運営し、客に賭博をさせるなどした疑いが持たれています。

同庁は、容疑者らが経営する不動産会社「ネオジオリアルエステート」が、関東中心にカジノ店を複数展開するグループ「SPEED」の拠点とみています。店の売上の管理や機材の調達などを担い、運営ノウハウを蓄積していたとのこと。

 

<2023年6月21日追記>
国内最大規模の違法オンラインカジノ店を運営したとして逮捕された男性について、東京地検は不起訴処分としました。
東京地検は、不起訴の理由については明らかにしていません。

 

<2023年7月6日追記>
警視庁は5日、「SEXY」の収益を受け取ったとして、指定暴力団住吉会の三次団体「大昇会」幹部、金井忍容疑者ら3人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)の疑いで逮捕しました。ネットカジノ店の収益を受け取ったとして暴力団組員が逮捕されるのは異例。
捜査関係者によると、金井容疑者は2019年~23年1月、「SEXY」などの売り上げのうち、約5千万円を「みかじめ料」として受け取ったほか、別の2人と共謀して他に「用心棒代」として約600万円を受け取った疑いがもたれています。容疑者が所属する「大昇会」は『歌舞伎町の薬局』と呼ばれるほど違法薬物の売買でも有名。歌舞伎町を拠点とする団体だけに、カジノも有力な資金源としていたとのことです。

 

<2023年7月17日追記>
文春オンラインの記事によると、金井容疑者のカジノグループでは、昨年8月、売上を持ち逃げした男がグループ幹部に捕まり、監禁された上で死亡していたとのこと。その事件の捜査の過程で大規模なカジノグループの存在が発覚。死人まで出たこのグループの直近5年間の売り上げは7億円弱だったとのことです。