ざっくり言うと
- クラップスで約3,200万円(226,948ドル)を荒稼ぎしたイカサマ師
- イカサマの手口は、使い古されたダイス・スライディング
- 狙われたのは、最新のクラップス台 Roll to Win Craps
2023年6月5日、複数メディアの報道によると、クラップスで約3,200万円(226,948ドル)を荒稼ぎしたイカサマ師の裁判が進んでいます。
ネバダ州賭博管理委員会によると、4人のイカサマグループは、2021年11月から12月にかけて、ラスベガスのコスモポリタンカジノ(The Cosmopolitan of Las Vegas)のクラップスで、6日間にわたり226,948ドルをだまし取った疑いが持たれています。また、イカサマ疑惑は、ほぼ同時期にリゾート・ワールド・ラスベガスでも行われた可能性があると、ラスベガスのテレビ局KLASが報じています。
‘Cheating’ gamblers are arrested after winning more than $200,000 in craps game at The Cosmopolitan casino in Las Vegas ‘by using dice sliding’
(ラスベガスのカジノ「ザ・コスモポリタン」のクラップスゲームにおいて、「ダイス・スライディング」で20万ドル以上を獲得したイカサマ師が逮捕される)
◆イカサマの手口
今回、クラップスで使われたイカサマは、ダイス・スライディングと呼ばれるもので、プレイヤーがサイコロを投げる際、転がさずに滑らせることで、特定の出目を狙う手口です。また、横方向にスピンをかけ、サイコロが正常に転がっているよう見せかけます。
加えて、本件では、シューター(サイコロを投げる人)がイカサマをする際、仲間に合図を送り勝ちに相乗りさせていたとのことです。
Dice Slide
◆狙われたハイテク台
今回、イカサマ師に狙われたのは、最新のクラップス台 Roll to Win Craps。
Roll to Win Crapsは、従来のクラップス台に大型LEDスクリーンと高性能スピーカー、電子ベットを組み合わせたもので、とにかくド派手な演出でプレイヤーの射幸心を煽ります。Roll to Win Crapsの開発元は、日本でもパチスロ機でお馴染みのアルゼの米国子会社Aruze Gaming America Inc.。
従来のクラップス台の天板はフェルト生地で覆われていますが、Roll to Win Crapsはテーブルそのものが大型LEDスクリーンとなっています。そのため、サイコロがフェルト生地に引っかかり転がることなく、より簡単に、かつ、よりわかりにくくサイコロを滑らせことができます。
Future of Craps? | Roll to Win Craps Table
◆裁判の行方
今回の事件で、Antcharaporn Kamonlert、Hau Duc Ngo、Max Edward Rappoport、Oscar Ovidio Rodriguez Alvaradoの4人が逮捕されています。ネバダ州ゲーミングコントロールボードは、ギャンブルゲームでの不正行為のほか、ゲーム施設での不正行為、コンピュータに関する不法行為、共謀の罪で4人を訴えています。
ネバダ州ゲーミングコントロールボードは、カジノの監視カメラで撮影されたビデオとプレイヤーのアカウントの履歴が事件の鍵を握っているとしています。一方で、容疑者の弁護士は、事実無根の疑いであり、カジノ側の負け惜しみにすぎないと容疑を否認しています。
◆さいごに
使い古されたイカサマの手口が、ギャンブルのハイテク化によって、再度、脚光を浴びることになるとは。