2023年09月27日

オンラインカジノ決済業者を初摘発、客21人も書類送検

オンラインカジノ決済業者を初摘発、客21人も書類送検

ざっくり言うと

  • 「SUMO PAY(スモウペイ)」のオンラインカジノ決済業者を初摘発
  • 決済業者は、数百億円を送金するなどして、21億5,000万円の利益を得ていた
  • スモウペイの登録者は、全国で42,000人

2023年9月27日、複数メディアの報道によると、警視庁と愛知、福岡両県警の合同捜査本部によって、オンラインカジノ決済業者が摘発されました。

逮捕されたのは、常習賭博ほう助容疑で、運営責任者の前田由顕容疑者とシステム開発者の時田慎也容疑者。加えて、同システムの運営に関与し入送金管理などを行っていた30~50代の男女5人を常習賭博ほう助容疑で書類送検しました。

国内から海外のオンラインカジノを利用するのは違法ですが、これまで、海外のオンラインカジノは証拠が集めにくく摘発が困難とされてきました。今回、客の賭博行為を容易にさせたとして、決済代行業者に常習賭博ほう助容疑を適用するのは初となります。

 

 

警視庁保安課などによると、逮捕容疑は、2021年7月14日ごろから約1年間にわたり、入出金システム「SUMO PAY(スモウペイ)」を使って、客18人が入金した金を海外のカジノ運営会社に送金したり、出金を仲介したりした疑い。

前田容疑者らは、スマートフォンなどから海外のカジノサイトにアクセスした利用者が、賭け金や賞金に使われるゲーム内のポイントを日本円に換金する際、スモウペイを使用していました。

スモウペイは、少なくとも「Sportsbet.io」「Bitcasino.io」「Livecasino.io」などのオンラインカジノやスポーツ賭博サイトで使われ、全国で42,000人が登録。前田容疑者らは、2020年6月からおよそ2年間で計約40万回、総額約200億円を送金するなどして、手数料21億5,000万円ほどの利益を得ていたとみられています。

 

また、今年7月、捜査で浮上したオンラインカジノを利用していた20~50代の客21人が単純賭博容疑で書類送検されています。客の多くは「海外サイトを使っていれば捕まらないと思っていた」と話しており、客の中には最大で1千万円近く負けた男もいたとのこと。

 

<11月17日追記>
警視庁は、利用客から違法な賭け金を受け取ったとして、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の疑いで、前田容疑者を再逮捕しました。再逮捕容疑は、令和4年2月~6月、35回にわたり、オンラインカジノ利用者12人がスモウペイに入金申請した際、自身の管理する口座に賭け金計約300万円を振り込ませ、犯罪収益を得るのを隠したとされています。

 

<2月9日追記>
警視庁、愛知県警、福岡県警は、詐欺容疑で前田被告(常習賭博と組織犯罪処罰法違反の罪で起訴)ら男女7人を書類送検しました。前田被告の書類送検容疑は、2020年12月~22年2月、実際には決済代行サービスに用いるにもかかわらず、使用目的を偽って二つのインターネットバンクで6つの預金口座を開設し、ログイン用のIDやパスワードが書かれた台紙を詐取した疑い。

 

◆さいごに

そもそも、国内から海外のオンラインカジノで遊ぶのは違法ですが、本件で、胴元のオンラインカジノを摘発できなくても、客を逮捕できることが明白となりました。

本件は、海外のギャンブルメディアでも報道されており、海外のオンラインカジノ関係者にも注意が拡がっているようです。

Japan Arrests Two for Running Payments for Online Casinos
(日本、オンライン・カジノの決済運営で2人を逮捕)

 

関連記事:「オンラインカジノは犯罪」を明言(警察庁)