2024年05月28日

並び替えたカードでバカラ、約9,120万円を荒稼ぎ(マカオ)

並び替えたカードでバカラ、約9,120万円を荒稼ぎ(マカオ)

ざっくり言うと

  • マカオ司法警察局は、マカオのカジノから約9,120万円を詐取したとして男女8人を逮捕
  • 逮捕された8人のうち、5人はカジノの従業員
  • 犯罪の手口は、カードを並び替えたものにすり替えるコールドデック

2024年5月27日、マカオ司法警察局は、不正行為によりマカオのカジノから約454万香港ドル(約9,120万円)を詐取したとして、カジノ従業員を含む マカオ人の男女8人を逮捕したと発表しました。

マカオ司法警察局によると、逮捕された犯罪組織は、カジノ従業員を巻き込み、カジノフロアのカードキャビネットから新品のカードをホテルの部屋に持ち出し、その並びを調整して特定の結果が出るようにして再びカジノに持ち込むことに成功しています。並び替えられたカードは、そのままバカラテーブルで使用され、犯罪組織の仲間がタイミングを合わせて大金をベットしていたとのことです。

カードを並び変えたものにすり替えるイカサマはコールドデックと呼ばれます。これは、ゲーム中にすり替えられたデック(カードの束)が触ると冷たいことに由来しています。卓越したギャンブラーは、コールドデック対策として、常にカードの温度にも注意を払っているそうです。

逮捕された容疑者のうち5人はカジノの従業員で、ゲーミングテーブルのマネージャーが2人、ディレクターが2人、ディーラーが1人。残りの3人は犯罪組織の幹部で計画を立案、実行していたとみられており、3人のうちの1人は元カジノ・ジャンケットとのことです。犯罪が行われたカジノは、コタイ地区のとあるカジノとされており、カジノ名は明かされていません。

本件は、5月23日、カジノからマカオ司法警察局への通報がきっかけで発覚したもので、捜査の結果、25日にマカオ各所及びカジノ施設内で8人が逮捕されています。この犯罪組織は、今年3月下旬と5月上旬の二度にわたって同様の手口で不正を行い、関与したカジノ従業員は1件につき170,000〜500,000香港ドル(約340〜1,000万円)の報酬を得ていたとみられています。

容疑者らは、現在も捜査への協力を拒否しているとのことです。

マカオ司法警察局は、押収済みの現金294万香港ドル(約5,900万円)以外の金銭の行方、逃走中の共犯者の行方を追っています。