2022年10月02日

【2022】凱旋門賞のオッズが国内外で違いすぎる件

【2022】凱旋門賞のオッズが国内外で違いすぎる件

ざっくり言うと

  • 海外競馬のオッズは、国内競馬ファンによってブックメーカーのオッズから大きく乖離
  • タイトルホルダー単勝10,000円は、JRA29,000円、ブックメーカー100,000円
  • ドウデュース単勝10,000円は、JRA42,000円、ブックメーカー260,000円
  • ディープボンド単勝10,000円は、JRA170,000円、ブックメーカー670,000円

海外競馬に内国産馬が参戦し、JRAがその馬券を販売するレースでのJRAのオッズは、内国産馬びいきの多くの国内競馬ファンによって、世界のブックメーカーのオッズから大きくかけ離れることがあります。

2022年10月2日、世界最高峰のレース「凱旋門賞」(仏パリロンシャン・芝2400メートル)が行われます。

日本からは、天皇賞・春、宝塚記念を圧勝したタイトルホルダー、日本ダービー馬のドウデュース、2年連続参戦のディープボンド、海外重賞2勝のステイフーリッシュが参戦。

海外勢では、前走、強豪相手に完勝したルクセンブルク、G1-5勝のアルピニスタ、昨年の凱旋門賞覇者トルカータータッソ、フランスダービーを5馬身差で圧勝したヴァデニが人気となっています。

 

今年の凱旋門賞のオッズ(2日12時時点)は、

タイトルホルダーの単勝に10,000円を賭けて当たった場合、JRAで買っていれば29,000円にしかなりませんが、イギリスの大手ブックメーカーのウィリアムヒルで買っていれば100,000円になります。
つまり、同じタイトルホルダーの馬券を買うにしても、買う場所によって大きく利益が異なります。

同じく、ドウデュースの単勝に10,000円を賭けて当たった場合、JRAで買っていれば42,000円にしかなりませんが、ウィリアムヒルで買っていれば260,000円になります。

 

逆に、世界的に人気のアルピニスタの単勝に10,000円を賭けて当たった場合、ウィリアムヒルで買っていれば60,000円にしかなりませんが、JRAで勝っていれば83,000円になります。

同じく、ルクセンブルクの単勝に10,000円を賭けて当たった場合、ウィリアムヒルで買っていれば55,000円にしかなりませんが、JRAで勝っていれば150,000円になります。

 

◆JRAのオッズ(2日12時現在)

タイトルホルダー 2.9倍
ドウデュース 4.2倍
アルピニスタ 8.3倍
オネスト 9.5倍
ルクセンブルク 15.0倍
ディープボンド 17.0倍
ヴァデニ 18.3倍
トルカータータッソ 18.5倍
ステイフーリッシュ 21.9倍
ウエストオーバー 31.4倍
メンドシーノ 39.8倍
アルハキーム 49.2倍
ミシュリフ 63.3倍
シリウェイ 71.6倍
バブルギフト 74.0倍
マレオーストラリス 96.2倍
グランドグローリー 100.3倍
アレンカー 103.6倍
モスターダフ 104.3倍
ブルーム 107.8倍

 

◆ウィリアムヒルのオッズ(2日12時現在)

ルクセンブルク 5.5倍
アルピニスタ 6.0倍
トルクァートアタッソ 8.5倍
ヴァデニ 9.0倍
タイトルホルダー 10.0倍
ウエストオーバー 11.0倍
オネスト 11.0倍
アルハキーム 12.0倍
バブルギフト 26.0倍
ドウデュース 26.0倍
ミシュリフ 29.0倍
メンドシノ 29.0倍
シーリウェイ 34.0倍
モスタダフ 41.0倍
アレンケル 51.0倍
マレオーストラリス 51.0倍
グランドグローリー 51.0倍
ディープボンド 67.0倍
ブルーム 81.0倍
ステイフーリッシュ 101.0倍

 


<JRAとウィリアムヒルのオッズ比較1>※2日21時現在

9時 12時 17時 21時
タイトルホルダー・JRA 2.7 2.9 3.1 3.7
タイトルホルダー・WIL 10.0 10.0 10.0 11.0
ドウデュース・JRA 4.0 4.2 4.8 5.8
ドウデュース・WIL 26.0 26.0 26.0 26.0
ディープボンド・JRA 16.9 17.0 18.2 21.6
ディープボンド・WIL 67.0 67.0 101.0 101.0
ステイフーリッシュ・JRA 22.2 21.9 23.6 27.0
ステイフーリッシュ・WIL 101.0 101.0 126.0 126.0

 


<JRAとウィリアムヒルのオッズ比較2>※2日21時現在

9時 12時 17時 21時
アルピニスタ・JRA 10.0 8.3 6.9 6.4
アルピニスタ・WIL 6.0 6.0 6.0 5.5
オネスト・JRA 10.6 9.5 9.3 8.7
オネスト・WIL 11.0 11.0 11.0 11.0
ルクセンブルク・JRA 14.4 15.0 11.8 10.0
ルクセンブルク・WIL 5.5 5.5 5.5 5.5
ヴァデニ・JRA 17.3 18.3 15.7 12.3
ヴァデニ・WIL 8.5 9.0 9.0 9.0
トルカータータッソ・JRA 20.9 18.5 15.7 11.8
トルカータータッソ・WIL 8.5 8.5 8.5 9.0

 

 

◆裁定取引で稼ぐ数少ないチャンス

裁定取引(アービトラージ)とは、同一の価値を持つ商品の一時的な価格差(歪み)が生じた際に、割高なほうを売り、割安なほうを買い、その後、両者の価格差が縮小した時点でそれぞれの反対売買を行うことで利益を獲得しようとする金融取引のことです。俗にさや取り(鞘取り)とも呼ばれます。

この理屈をスポーツベッティングに当てはめたものが、ブックメーカーアービトラージ(スポーツアービトラージ、シュアベット)です。

例えば、武尊と那須川天心のドリームマッチが実現し、下記のオッズになったとします。

ブックメーカーA:武尊[1.5] VS. 天心[3.0]
ブックメーカーB:武尊[1.3] VS. 天心[3.5]

この時、ブックメーカーAで武尊1.5倍に70,000円、ブックメーカーBで天心3.5倍に30,000円を賭けた場合、武尊が勝っても天心が勝っても105,000円が入ってきます。総賭け金は100,000円なので、試合結果に関わらずノーリスクで5,000円の利益を上げることができます。

このように、ブックメーカー各社のオッズに差が生じて払戻率100%オーバー状態を見つけ出すことで、試合結果に関わらず利ざやを抜くことをブックメーカーアービトラージといいます。また、ブックメーカーは賭けた時点の倍率で払戻しとなるため、賭けた時点で利益が確定します。

ただし、ほとんどのブックメーカーで、オッズが他とかけ離れることのないようシステム的な対策が講じられており、また、規約でアービトラージそのものを禁止しているブックメーカーも少なくありません。

一方で、海外競馬に内国産馬が参戦し、JRAがその馬券を販売するレースでのJRAのオッズは、内国産馬びいきの多くの国内競馬ファンによって、世界のブックメーカーのオッズから大きくかけ離れることがあります。これはアービトラージの絶好のチャンスとなります。

 


◆さいごに

タイトルホルダーに大きく賭けるなら、JRA経由で馬券は買わず、フランスのパリロンシャン競馬場まで行って、現地で賭ける方がはるかに夢がありますね。

<レース結果>
1着 アルピニスタ
2着 ヴァデニ
3着 トルカータータッソ
4着 アルハキーム
5着 グランドグローリー

今回のアービトラージは、内国産馬券を海外で買うのではなく、海外の人気馬券をJRAで買うが正解だったようです。