ざっくり言うと
- 直感を疑えという有名な話を2つ紹介
- モンティ・ホール問題、ド・メレの2つのダイス
- すんなり2つとも納得できたあなたは、ギャンブルセンスありです
ギャンブルに勝つためには直感を疑えという有名な話しを3つ紹介しています。
◆モンティ・ホール問題
アメリカの人気テレビ番組の司会者名モンティ・ホールに由来した確率論の問題です。直感で正しいと思える解答と、論理的に正しい解答が異なる問題の適例とされています。
①3つの扉があり、1つは正解(新車)、2つは不正解(ヤギ)。
②挑戦者は3つの中から1つ扉を選ぶ。
③司会者は答えを知っており、残り2つの扉の中で不正解の扉を1つ選んで開ける。
④挑戦者は残り2つの扉の中から好きな方を選べる。
このとき扉を変えるべきか?変えないべきか?
一般に、③で司会者がヤギの扉を開けた時点で残った扉は2つなので、扉を変えても変えなくても正解確率は1/2 で扉を変えることのメリットはないと思われがちです。
しかしながら、実際には、扉を変えないと正解確率は1/3に対して、扉を変えると正解確率は2/3に跳ね上がります。つまり、挑戦者は絶対に扉を変えるべきという話です。
<考え方>
最もシンプルに考えると、このゲームが始まったとき、挑戦者はどこに車があるのか知らないため、車を手に入れる確率は3分の1しかありません。そして、司会者が扉3を開けても、それが挑戦者の最初の選択が正しいかどうかという確率には一切影響を及ぼさず、扉1が正解の確率は最初と同じ3分の1のままです。そこから、扉1に車がある確率は3分の1なので、消去法で扉2に車がある確率は、3分の2となります。
納得のいかない人のために、別の考え方で、仮に挑戦者が最初に扉1を選び、司会者が車のない扉3を開ける場合を考えます。
扉1 ★挑戦者が最初に選ぶ扉
扉2 車
扉3 司会者が開ける扉
まず、扉2の後ろに車があるとすると、挑戦者が扉1を選んだ場合、司会者は扉3を開けざるを得ません。残った扉で車がないのはこれしかないからです。つまり、司会者が扉3を開ける確率は、1分の1となります。
扉1 車 ★挑戦者が最初に選ぶ扉
扉2
扉3 司会者が開ける扉
次に、扉1の後ろに車があるとすると、司会者が開けることができるのは扉2と扉3になり、扉3を開ける確率は半分に減り、2分の1となります。
挑戦者が扉1を選び司会者が扉3を開けた場合、車が扉2にある可能性は、扉1にある可能性の2倍ということになります。つまり、最初に選んだ扉1から扉2に変えれば、車を手に入れる確率は、3分の2とります。
これでも納得のいかない方は、ウィキペディアで詳しく説明されています。
◆ド・メレの 2つのダイス
おそらく、ギャンブルにおいて最も有名な質問です。
フランスの貴族シュヴァリエ・ド・メレは、「1つのサイコロを4回投げて、6の目が出れば自分の勝ち」という賭けをしていつも勝ち越していましたが、ド・メレがいつも勝つので、ついに賭けをしてくれる相手がいなくなってしまいました。
そこで、ド・メレは、サイコロを2つに増やして、「2つのサイコロを24回投げて、6, 6のゾロ目が出れば自分の勝ち」にルールを変更しました。
ド・メレは、「1つのサイコロで6の目が出る確率は1/6」、「2つのサイコロで6, 6 のゾロ目が出る確率は1/36」なので、それぞれ4回、24回投げたら同じ確率で以前のように勝てると考えました。
1/6 × 4 = 4/6 = 2/3
1/36 × 24 = 24/36 = 2/3
しかし、ルールを変更してからド・メレはすっかり勝てなくなってしまい、その理由をフランスの数学者・哲学者のブレイズ・パスカルに質問したところ、パスカルは「ある目が出る確率から計算するのではなく、出ない確率から計算するのです」と答えました。
「6の目が出ない確率は 5/6」なので、4乗して1から引く
1ー (5/6)^4 = 0.518 = 約52%で勝てる
「6, 6のゾロ目が出ない確率は 35/36」なので、24 乗して1から引く
1ー (35/36)^24 = 0.491 = 約49%でしか勝てない
つまり、以前は勝率が5割を超える分のいい勝負でしたが、ルールを変えたことで負けるべくして負けていたという話です。
◆さいごに
Gamble GOは、いずれの問題もなかなか納得がいかず、エクセルで検証してやっと腹落ちしました。
ギャンブルにおいて、思い込みは厳禁という話でした。