2023年11月02日

バカラの客がへっぽこ過ぎてカジノは大儲け(ラスベガス)

バカラの客がへっぽこ過ぎてカジノは大儲け(ラスベガス)

ざっくり言うと

  • ネバダ州の9月のゲーミング総収益は、1,918億円で前年同月比1.7%増
  • ストリップ地区のバカラのホールド率は22.2%。カジノ側の勝率は昨年の約2倍に
  • ストリップ地区のスロットマシンは、30ヵ月ぶりの収益減

2023年11月2日、ネバダ・ゲーミング・コントロール・ボード(ネバダ州ゲーミング管理委員会)の発表によると、ネバダ州の9月のゲーミング総収益(GGR)は、12億7,000万ドル(1,918億円)で前年同月比1.7%増
GGRが10億ドルを超えるのは31ヵ月連続。

Monthly Revenue Report September 2023

テーブルゲーム全体の総収益(GGR)は、4.56億ドル(689億円)で、前年同月比16.6%増。ドロップ(客が持ち出したお金)は29億ドル(4,379億円)で、前年同月比4.4%減。ホールド率は15.84%(前年は12.97%)

特にバカラの総収益(GGR)は1億4,880万ドル(225億円)で、前年同月比85.8%増。ドロップ(客が持ち出したお金)は6億8,210万ドル(1,030億円)で、前年同月比3.1%減。ホールド率は21.82%(前年は11.38%)

また、売上増に貢献したエリアは、ラスベガスのストリップ地区で、60の認可カジノのGGRは7億4,120万ドル(1,119億円)で前年同月比6.9%増。7月、8月、9月の3ヵ月間のGGRは22億ドル(3,322億円)で前年同期比5.5%増。

 


◆カジノの勝率を示す「ホールド率」とは

ホールド率とは、ざっくりいうと客が購入したチップをカジノが取り戻した比率のことで、下記の数式であらわされます。

ホールド率=(収益)/(ドロップ)=(ゲームでのカジノ側の儲けの総額)/(Buy-In:客が持ち出したお金の総額)

これだけではよくわからないので補足します。

①ある客がブラックジャックのテーブルにきて、まず100万円分のチップを購入しました。

②最初に買った100万円のチップで4時間プレイしました。一時は120万円まで増えたり、50万円まで減ったりしましたが、プレイ中にチップの追加購入や換金はありませんでした。

③4時間プレイした結果、客は20万円負けて、残りの80万円を持ってテーブルを離れました。

④上記をカジノ側から見れば、カジノ側の儲けは20万円です。

この場合のホールド率は、

20万円/100万円=20% ということになります。

 

2004~2023年のネバダ州でのホールド率の平均は、
NEVADA TABLE GAMES:HISTORICAL HOLD PERCENTAGE VARIATIONS

ブラックジャック 12.67%
クラップス 14.14%
ルーレット 18.90%
バカラ 12.58%

ただし、ブラックジャックとルーレットは、最近、カジノ側有利にルールが変更されているため、現状のホールド率は上記平均より高くなっています。

関連記事:カジノのルール変更によって、客が負けやすくなっている

 


◆ストリップ地区の稼ぎ頭はバカラ

ストリップ地区にある60の認可カジノは、9月の1ヵ月間でギャンブラーから7億4,120万ドル(1,112億円)を巻き上げています。

9月のストリップ地区の成功の要因はバカラ(ハイエンドバカラ・大バカラ)で、その収益は1億4,740万ドル(223億円)、前年同月比87.8%増という驚異的な売上を記録しています。このバカラの収益は、ストリップ地区全体のカジノ収益の20%を占めます。

ホールド率は22.2%に達し、2022年9月の約2倍となっています。

※カードを絞らない簡易的なミニバカラは、バカラとは区別してカウントされています。

 


◆スロットマシンは30ヵ月ぶりの収益厳

ストリップ地区のスロットマシンの収益は3億8,310万ドル(578億円)で、前年同月比6.4%減。

ホールド率は8.14%、前年は8.38%

2021年3月以来30ヵ月連続で収益を増やしてきたストリップ地区のスロットマシンは、ついにその記録がとだえました。