ざっくり言うと
- スロットマシンで一撃1,200ドルを超えるジャックポットに当せんした場合、30%の課税
- ジャックポットの当せん金は、その受け取り方によって金額が大きく異なる
- 1億円に当せんしても一括で受け取れば、手もとに残るのは4,000万円弱
◆もしジャックポットが当たったら?
Megabucksに代表されるプログレッシブ型のスロットマシンは、プレイヤーの投入する金額の数パーセントが積み立てられていき、ジャックポットに当せんしたたった1人がそれまでに積み立てられたすべての賞金を獲得する仕組みとなっています。
Megabucksでの過去最高のジャックポット当せん額は、2003年にエクスカリバーで出た$39,710,826.36(約45億円)です。ただし、Megabucksのジャックポット確率は1/49,836,032。
日本の宝くじ(ジャンボ系)の1等当せん確率が1/10,000,000であることを考えると、さらにその5分の1と、とてつもなく狭き門となっています。
それでも、奇跡的にジャックポットが当たったら。
◆アメリカでの納税と日本での納税、どちらが得?
ラスベガスでは、外国人がスロットマシンで一撃1,200ドルを超えるジャックポットに当せんした場合、30%の課税が義務付けられています。
ただし、日本とアメリカ相互協定によって、日本居住の日本人は、その場でアメリカに30%の税金を支払うか、日本に戻ってから当せん金を一時所得として確定申告するかの選択ができます。
念のためですが、日本での納税を選択しても、直接、日本の税務署に連絡がいくため、税金から逃れることはできませんのでご注意を。
では、どちらで納税する方が得かという話ですが、結論から言えば、どちらで支払ってもそこまで大きな違いはないようです。1億円程度のジャックポットの場合、日本で支払った方が税金は若干安くなりますが、確定申告の手間などを考えれば、現地で30%を支払った方が後の煩わしさがない分、楽かもしれません。
※所得税の金額は、その他の所得の状況によります。高額のジャックポットが当たったら、まずは現地から日本の税理士に連絡して相談することをおススメします。
◆一括で受け取るか、分割で受け取るか
ジャックポットでの当せん金は、その受け取り方によって金額が大きく異なります。
以前、ラスベガスの地元メディア ラスベガス大全が報じた記事によると、2007年6月、プラネットハリウッドのWheel of Fortuneで581,670ドルを獲得した日本人男性の場合、当せん金を一括で受け取るか20回分割で受け取るかを提示されたそうです。
<一括受け取りの場合>
当せん金:581,670ドル(6,670万円)
一括受取手数料(48%)を引いた当せん金:302,468ドル
税金(30%):99,740ドル
最終的な受取額:211,728ドル(2,438万円)
※ジャックポットでの高額当せんは、分割払いが基本で、一括で受け取る場合、その当せん金が将来的に生み出すであろう金利などの利益が差し引かれます。こちらの日本人男性の場合、一括受取手数料で提示された利率は48%だったそうです。
年間利回り約2%とかなり高い利率が設定されており、当せん金は20年で約半分にまで減ってしまいますが、カジノの利益率で考えるとそれも妥当なのかもしれません。
<分割受け取りの場合> ※20年で20回の分割
当せん金:581,670ドル(6,670万円)
税金(30%):174,501ドル
最終的な受取額:407,160ドル(4,681万円)
つまり、581,670ドル(6,670万円)のジャックポットを当てても、一括受け取りなら2,438万円、分割受け取りでも4,681万円しか獲得できません。ちなみに、こちらの日本人男性は、当時40代と若かったこともあり、分割受け取りを選択されたそうです。
※日本で税金を支払う場合、当せん金の20分の1ずつを毎年の一時所得として申告できれば、累進課税の仕組み上、税金は安くなるはずです。ただし、それが日本の税法で認められるかは、ジャックポットに当たったことがないのでわかりません。
◆さいごに
ジャックポットで1億円が当たっても、一括での受け取りを選択すれば、税金を支払って手もとに残るのはわずか3,640万円(一括受取手数料:48%の場合)です。これでは、さすがに夢がないですね。
逆に、約50%の高すぎる控除率で、ぼったくりと揶揄されている宝くじですが、非課税で丸々当せん金を受け取れることを考えれば、こちらの方が夢があるのかもしれません。