ざっくり言うと
- 6県警での合同捜査本部は、神奈川県藤沢市にある違法パチスロ機の製造拠点を摘発
- 合同捜査本部は、神奈川県警、福島県警、宮城県警、千葉県警、群馬県警、鹿児島県警
- 違法パチスロ機を購入していた宮城、神奈川、福島、群馬などの闇スロ店も相次いで摘発
2024年6月4日、神奈川県警、福島県警、宮城県警、千葉県警、群馬県警、鹿児島県警の6県警で構成する合同捜査本部は、神奈川県藤沢市にある違法パチスロ機の製造拠点とされる倉庫など複数箇所を家宅捜索し、パチスロ機500台やロムなどを押収し、参田容疑者を常習賭博幇助の疑いで逮捕しました。
参田容疑者らのグループは、闇スロ店に違法パチスロ機を販売しメンテナンスなどを行ういわゆる「機械屋」で、1台20万円~30万円ほどで販売されていたとみられています。「機械屋」の摘発は全国初となります。
参田容疑者は、数人と共謀し、2023年11月から2024年1月の間、川崎市川崎区東田町の闇スロ店「ライフ」、仙台市の「ピンキー」や「ビッグ」などに違法パチスロ機を販売するなどして違法賭博を手助けした疑いがもたれています。
参田容疑者らのグループが違法パチスロ機を販売したとみられる闇スロ店は、神奈川県、福島県、宮城県、千葉県、群馬県、鹿児島県の6県に及び、これまでに店の関係者や客などあわせて50人以上が検挙されており、違法パチスロ機1,059台と現金約500万円が押収されています。
警察は、組織的な賭博事件とみて、賭博事件の捜査では異例の6県警で合同捜査本部を設置し、あわせて500人以上の捜査員を投入して全容の解明を進めています。
<6月7日追記>
合同捜査本部は、7日までに機械屋の男3人を新たに逮捕しました。
◆福島県いわき市の闇スロ店摘発
2024年5月29日、福島県警は、いわき市平にある違法賭博店「マーメイド」を摘発し、経営者や従業員4人を逮捕しました。賭博開張図利の疑いで逮捕されたのは、経営者の菅原容疑者、従業員の多部田容疑者、橋本容疑者、上間容疑者の4人。神奈川県警より「機械屋」の取引先があるとの情報提供を受け、福島県警が捜査を進めていました。
福島県警によると、菅原容疑者ら4人は、違法に賭博場を開き、闇スロットやバカラをさせて、利益を図った疑いが持たれています。この店は、紹介制で客を募った上、入り口のカメラで確認するなどして客を厳しくチェック。店には違法スロット機40台を設置されており、メダル1枚100円の高レートで賭博をさせていたもようです。
福島県警は、逮捕された4人以外にも複数人の従業員がいるとみられていて、警察が行方を追っています。また、捜査に支障があるとして4人の認否は明らかにされていません。
<7月9日追記>
本件で、5人目の逮捕者がでました。賭博開帳図利などの疑いで逮捕されたのは、この店の従業員 稲川容疑者。
<7月18日追記>
本件で、6人目の逮捕者がでました。 賭博開帳図利と常習賭博の疑いで逮捕されたのは、渡邉容疑者。
<10月7日追記>
裁判所は被告3人に実刑判決、残る3人には執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。賭博開帳図利などの罪で判決を受けたのは、菅原被告、橋本被告ら6人。判決によると、菅原被告はことし5月にいわき市で、客にバカラ賭博をさせて利益を図り、橋本被告らが従業員として犯行をほう助したとしています。7日の判決公判で裁判官は「多数の客からおよそ1,660万もの売り上げを得て職業的で悪質な犯行であるうえ社会的影響は小さくない」などとして菅原被告ら3人に対し、執行猶予付の有罪判決を、橋本被告ら3人には懲役10か月などの実刑判決を言い渡しました。
◆群馬県前橋市の闇スロ店摘発
2024年6月4日、群馬県警は、前橋市城東町の闇スロ店を摘発し、店長、従業員、客の計5人を逮捕しました。
常習賭博の疑いで逮捕されたのは、店長の斉藤容疑者と、従業員の李容疑者。両容疑者は、1日午後、前橋市城東町の賭博店にパチスロ機20台を設置し、客に金を賭けさせた疑いがもたれています。また、摘発時、同店で賭博をしていた男性客3人も単純賭博容疑で現行犯逮捕されています。
斉藤容疑者と李容疑者は、取り調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているとのことです。
◆鹿児島県鹿児島市の闇スロ店摘発
2024年5月27日、鹿児島県警は、鹿児島市内の闇スロ店を摘発し、従業員と客の計5人を逮捕しました。闇スロ店は、鹿児島市松原町のマンション8階の一室にあり、パチスロ17台とパチンコ6台が設置されていました。
逮捕されたのは、賭博店従業員の内山容疑者、横峯容疑者、大内田容疑者の3人と、賭博を行っていた客の51歳と45歳の男2人。
鹿児島県警は、神奈川県警から「鹿児島にスロット台が流れている」との情報提供を受けて捜査を進め、今回の摘発に至っています。鹿児島県警は、違法パチスロ機、パチンコ台のほか、現金約202万円を押収したとのことです。
<7月30日追記>
本件で、新たに組織犯罪処罰法違反の疑いで松下容疑者と児玉容疑者の2人が逮捕されました。
鹿児島県警によると、2人はことし1月から5月までの間に、スロット、ポーカー、バカラなど違法な賭博で得た収益と知りながら、その一部現金あわせて200万円を受け取った疑いがもたれています。また、松下容疑者が受け取った現金90万円は、賭博店の用心棒代とみられています。
<9月19日追記>
6県合同捜査本部は、18日、仙台市青葉区国分町2丁目の繁華街にある闇スロット店「ダイヤモンド」を摘発し、常習賭博の疑いで経営者の太田容疑者と従業員の桶谷容疑者、また、賭博の疑いで客3人を逮捕しました。また、違法スロット機やバカラ機32台、帳簿や現金約200万円を押収。本件を巡っては、去年11月、青葉区国分町の違法スロット店の従業員など6人を常習賭博の疑いで逮捕して以降、警察は宮城県警など6県合同の捜査本部を立ち上げて捜査を進めていました。