2022年03月03日

20年ぶりにクレーンゲーム景品の上限金額を200円値上げ

20年ぶりにクレーンゲーム景品の上限金額を200円値上げ

ざっくり言うと

  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準が改正
  • クレーンゲーム景品の上限金額が800円から1000円に値上げ
  • 街中に溢れるゲーム機などの高額景品は取締りの対象になるのか?

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」が改正され、令和4年3月1日から施行されました。

この改正に伴い、警察庁は3月1日付で各都道府県の警察に通達を出し、クレーンゲーム景品の上限金額が20年ぶりに800円から1000円に引き上げられました。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準(警察庁通達)

『遊技の結果が物品により表示される遊技の用に供するクレーン式遊技機等の遊技設備により客に遊技をさせる営業を営む者は、その営業に関し、クレーンで釣り上げるなどした物品で小売価格がおおむね1000円以下のものを提供する場合については法第23条第2項に規定する「遊技の結果に応じて賞品を提供」することには当たらないものとして取り扱うこととする。』

これまでのクレーンゲーム景品の上限金額は、2001年に出された解釈運用基準によって800円となっており、日本アミューズメント産業協会のガイドラインでも、「景品として提供する物品は小売価格でおおむね800円以下のものとする。小売価格とは、景品専用に開発された物品を除き、一般市場における価格とする。なお、景品専用に開発された物品であっても1個あたりの価格はおおむね800円を超えてはならない。となっています。

 

◆タイでは、2020年にクレーンゲームを禁止

2020年2月19日、タイ政府は、ギャンブル要素が強いことを理由にクレーンゲームを禁止しました。

タイでは、1935年に施行されたギャンブル法によって、競馬と政府が運営する宝くじ以外のギャンブルは禁止されています。タイの内務省は、これまでクレーンゲームが(Claw Cranes)を景品を獲得できる保証のない運任せのゲーム、つまりギャンブルであると指摘していましたが、2020年2月19日に禁止令を施行し取り締まりを開始しました。執行官の警告を無視した場合、クレーンゲームの設置主は逮捕されるという厳しい内容です。

クレーンゲーム(Claw Cranes)は、タイ国内の多くのショッピングモールに設置されており、当時の調査によると、タイ国内の92のショッピングモールのうち75のモールで、1,300以上のクレーンゲームが稼働していました。

 

◆さいごに

法律や業界団体のガイドラインでは景品の上限金額が定められているものの、街中のゲームセンターをのぞいてみると、ゲーム機や音楽プレイヤー、キャラクターのフィギュアなど、明らかに上限金額を超える商品が提供されています。また、警察もそれを細かく取締るようなことはせず、黙認している状況です。

今回の法改正を機に、警察が違法景品を厳しく取り締まっていくとはなかなか考えづらく、大きなトラブルでも起こらない限り警察が動くことはないのではと思っています。これもソープランド同様に、なかなか闇の深い話ですね。