ざっくり言うと
- ディーラーは、そもそもホイールを見ないでボールを投げ入れている
- 現在主流のホイールは、数字の溝が浅くボールが転がって狙えない
- ディーラーは、一切の不正ができないよう厳格な作法が定められている
今回は、ルーレットファンなら誰もが一度は抱く疑問についてです。
◆ディーラーは、ルーレットの数字を狙えるのか?
ほぼ結論になりますが、熟練のディーラーならある程度は特定のゾーンに玉を落とすことができます。しかし、ディーラーは玉を投げ入れるとき、極力、ホイールを見ないようにしています。ディーラーの目線は、客かチップが置かれたレイアウト(賭け枠)に向けられ、ディラーは手だけを動かして投球しています。
その理由は、
①客から無用の疑いをかけられないようにするため
②客の不正を防止するため(正しくベットがなされているかなど)
と言うことで、そもそもホイールを見ないでボールを投げ入れているから狙いようがないという話です。
ただ、これで話を終わらせてしまうと、あまりにも面白くないので、
◆では、ディーラーがホイールを見て本気で狙ったらどうなのか?
現在主流のルーレットホイールは、数字の溝が浅くボールが転がってしまうため、特定の数字を狙いにくくなっています。だからと言って、特定の数字が狙えない訳ではありません。実際に特定の数字を狙った凄腕ディーラーが実刑判決を受けた事件も存在します。
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余談ですが、20年以上前の話ですが、ちょっと危ないお店では、通常はボールと反対方向に回っているホイールが固定されていて、かつ、がっつり溝の深い台なんてのもありました。これだとディーラーのやりたい放題ですね…
◆では、昔はディーラーのイカサマはあったのか?
こちらの動画は、1920年代にアル・カポネが所有していた可能性が高いとされるイカサマルーレット。テーブルの側面にネジに偽装されたボタンが埋め込まれていて、ディーラーがこのボタンを押すとホイールの側面からピンが飛び出てディーラーが狙ったところにボールを落とすことができたそうです。
◆最新のイカサマ技術では、ボールが動く。
こちらの動画は、はじめて見たときビビりました。クルマの電子キーのようなボタンを押すと、ボールが勝手に動き出すというものです。このイカサマが実際に使われているのかは謎ですが。
◆結論
カジノがもっとも恐れているのは、お客さんの不正ではなくディーラーの不正です。ディーラーが狙った数字にボールを落とせれば、自由にゲーム結果を操作することが可能となり、ディーラーと組んだお客さんに大勝させて後で山分けといった不正ができてしまいます。この点で、ディーラーは一切の不正ができないよう、厳格な作法が定められています。
更に、万一、カジノ側の不正が発覚した場合、カジノライセンスの停止、最悪のケースではカジノライセンスの剥奪も考えられます。莫大な資金を投じて獲得したカジノライセンスすら失いかねないリスクを、微々たるお金のためにカジノ側がとるとは、まず考えられません。
ということで、ディーラーの作法、ルーレット台の進化、カジノ側のリスクの3点から、まっとうなカジノではディーラーの技術介入もイカサマもないはずです。逆に、まっとうでないカジノには近寄らないことです。