2023年12月26日

確率の不思議、殺人ウイルス

小ネタ
確率の不思議、殺人ウイルス

ざっくり言うと

  • 1万人に1人の割合で感染する殺人ウイルス、検査制度は99%
  • あなたがこの検査を受けると「陽性」。あなたが感染している確率は?
  • 検査精度99%なので、感染している確率は99%と考えるのは誤り

1万人に1人の割合で感染する殺人ウイルスがあります。
このウイルスの検査では、「陽性(感染している)」「陰性(感染していない)」を調べることができ、その精度は99%です。
あなたがこの検査を受けると、「陽性」という判定が出ました。
さて、あなたが実際に感染している確率は?

 

検査精度が99%ということなので、感染している確率は99%と考えるのは誤りです。
実際に感染している確率は、驚愕の1%です。
この直感を裏切る要因は、99%という検査精度の低さにあります。

 

<解説>

1万人に1人の割合で感染するウイルスなので、100万人いれば100人がウイルスに感染していることになります。

100万人の内訳は、

陽性:100人
陰性:99万9,900人

そして、検査の精度は99%なので、

陽性100人のうち、
正しく「陽性」と判定されるのは99人
間違って「陰性」と判定されるのは1人

一方、陰性99万9,900人のうち、
正しく「陰性」と判定されるのは98万9,901人
間違って「陽性」と判定されるのは9,999人

実際には感染していないのに「陽性」と判定される人は、直観以上に多いことがお分かりいただけると思います。
この直感を裏切る要因は、99%という検査精度の低さにあります。

 

つまり、100万人いれば、「陽性と判定された人」は、99+9,999=10,098人

その中で、「実際に陽性の人」は99人

よって、

「陽性と判定された人」の中で、「実際に陽性の人」の割合は、

99 ÷ 10,098 = 0.0098… ≒ 0.01=1%

あなたが精度99%の検査を受けて「陽性」と判定されても、あなたが本当に陽性である確率は、1%程度にすぎないということになります。

 

 

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