ざっくり言うと
- カジノの勝率を示す「ホールド率」
- ホールド率とは、ざっくりいうと客が購入したチップをカジノが取り戻した比率のこと
- 2004年~2023年9月までのネバダ州カジノのホールド率をグラフ化
2023年11月18日、ネバダ・ゲーミング・コントロール・ボード(ネバダ州ゲーミング管理委員会)は、カジノの毎月の利益、勝率をゲームの種類ごとに公表しています。
Nevada Gaming Control Board Gaming Revenue Information
カジノの勝率は、公表資料の「Win Percent」で示されており、この値はホールド率とも呼ばれます。
◆カジノの勝率を示す「ホールド率」とは
ホールド率とは、ざっくりいうと客が購入したチップをカジノが取り戻した比率のことで、下記の数式であらわされます。
ホールド率=(収益)/(ドロップ)=(ゲームでのカジノ側の儲けの総額)/(Buy-In:客が持ち出したお金の総額)
これだけではよくわからないので補足します。
①ある客がブラックジャックのテーブルにきて、まず100万円分のチップを購入しました。
②最初に買った100万円のチップで4時間プレイしました。一時は120万円まで増えたり、50万円まで減ったりしましたが、プレイ中にチップの追加購入や換金はありませんでした。
③4時間プレイした結果、客は20万円負けて、残りの80万円を持ってテーブルを離れました。
④上記をカジノ側から見れば、カジノ側の儲けは20万円です。
この場合のホールド率は、
20万円/100万円=20% ということになります。
◆負けにくい・負けやすいゲームは?
カジノのゲームには、ハウスエッジ(胴元の取り分)が設けられており、基本的にカジノ側有利となっています。
ブラックジャック:約0.5%
※ベーシック・ストラテジー使用、BJ時は1.5倍配当、ディーラーのソフト17はステイ
クラップス(ドント・パスにベット):1.36%
クラップス(パス・ラインにベット):1.41%
アメリカンルーレット:5.26%
バカラ(バンカーにベット):1.06%
バカラ(プレイヤーにベット):1.24%
スロットマシン:1.0~5.0%
ハウスエッジによると、負けにくいゲームはブラックジャック、次いでバカラ、負けやすいゲームはルーレットということになります。
一方で、2004年~2023年9月までのネバダ州カジノのホールド率の年平均は下記となっています。
ブラックジャック:12.72%
クラップス:14.15%
ルーレット:18.74%
バカラ:12.55%
ミニ・バカラ:10.92%
テーブルゲーム計:13.09%
スロットマシン計:6.43%
1%程度のハウスエッジでも、ゲームのトータルではカジノ側に大きな利益をもたらしていることがわかります。
負けにくいゲームはスロットマシン、次いでバカラ・ミニバカラ、次いでブラックジャック、負けやすいゲームはルーレットということになります。
<ネバダ州カジノのホールド率推移>(データ出典:ネバダ州ゲーミング管理委員会)
※2023年は9月までの平均値
ここで注目すべきは、テーブルゲーム、スロットマシンともに、緩やかではあるもののホールド率が増加していることです。これは、カジノ側有利にルールが変更されていることによります。また、同じゲームでもテーブルによってルールが異なるため、テーブルを選ぶ際は注意が必要です。
関連記事:カジノのルール変更によって、客が負けやすくなっている
カジノ側有利のルール変更も追い風となって、2022年にアメリカのカジノは8兆円を稼ぎ出しています。
これは、逆に言えばギャンブラーが8兆円負けたということです。
関連記事:2022年のギャンブルでの負け総額は8兆円(アメリカ)
カジノのゲームは、長くプレイすればするほどハウスエッジ(胴元の取り分)によって、プレイヤーの負ける確率は高くなります。
スタートダッシュで調子が良ければ、あまり欲張らず勝ち逃げに徹する、これがカジノで勝つ秘訣です。